魔物を喰う森~入り口にて~
植物が支配してる地域に到着する。
俺はアルテミスと200匹程度できた。
多すぎると色々と危ないからな。
最低限の数で来たつもりだ。
アルテミスを連れてきたのは、彼女の星魔法を使って行こうと思う。
植物系の魔物は、接近戦を得意としてるとかしてないとか聞いた。
証拠は無いが無いよりはましだろう。
ついでに、彼女は中級魔法まで使えるらしい、俺は魔法なんか使えないからよく知らないけどな。
魔法も火、土、水、風、氷、雷、無、空、聖、星の10種類で初級、中級、上級、特級の4つに別れている。
光魔法は聖魔法になり、闇魔法は星魔法になった。
他にも鉄、幻等があったが他の魔法に統一されたとか。
アルテミスは星魔法特化型らしく他の魔法は使えない。
俺?俺は先生に聞いたが、スライムは魔法を覚えられないとさ。
ただし、制限回数が有るが魔法を記憶してる魔道具を使えば、赤ん坊ですら使えるらしい。
機会があったら使いたいな。
さてと、行くか。
俺達が奥に向かおうとした時。
「グルルルルッ!!」
お、犬、いや狼だ。
ただ、俺の知ってる狼と違い背中にキノコと苔が生えている。
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個体名:なし
種族:グリーンウルフ(寄生)
性別:オス
Lv:21
ランク:E
装備:なし
状態異常:
混乱
思考誘導
思考妨害
HP:84/94
MP:71/71
攻撃力:63
防御力:47
魔攻:30
魔防:21
敏捷性:101
固有スキル
〔暗視〕〔危険感知〕
〔寄生胞子〕
スキル
〔痛覚無効〕
称号
なし
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種族:グリーンウルフ
緑色の毛並みをした狼で集団で狩りをする。
草むらに隠れた場合の迷彩効果は高い高い。
寄生胞子:
生き物に寄生してキノコを生やす。
寄生した生き物から栄養を奪い取るため、寄生された生き物は常に空腹になる。
成長したキノコはダメージを受けると胞子をばら撒き近くにいた生き物に寄生する。
痛覚無効:
一切の痛みを感じなくするスキル。
危険な状態に気付きにくい。
2日前に倒した種類の魔物だ。
だが、何かに寄生されてるな。
アルテミスに魔法を射ってもらいたいが距離が若干近いから無理だ。
「ガルルアァァァア!!」
仕方がない。俺は、近くにいた分裂体を二匹、フリーフィールドを使ってグリーンウルフに向かって飛ばした。
「キャインッ!?」
一匹は顔に当たり、もう一匹は片足に当たった。
グリーンウルフはくっついた分裂体を剥がそうと躍起になり、地面に顔をぶつけたりしている。
もちろん、そのままでは直ぐに剥がれてしまうので、さらに飛ばす。連続で飛ばす。
仕舞いには、埋もれても飛ばし続ける。
いや~、この5日でこのスキルの練習ばっかしてたお陰でなんとかなったよ。
てか、あの胞子が付いたスライムは無事なのか?
『魔力体には寄生ができません。また、スライムの体はその気になれば胞子なんて直ぐに溶かせます。』
それなら安心だな。
「すみません主様。私が詠唱短縮を覚えていたら、こんな手間を取らせないのに。」
いや、気にすんな。
「ダメですよ!これでは、私はただの約ただずです。今すぐには無理ですが、必ずや、詠唱短縮を覚えてみせます。」
お、おう、がんばって。
「はい!」
なんか知らんが、すごくやる気になってるな。
まだ、入り口前なのに。
さて、注意しながら進むか。
とりあえず、中間地点ぐらいまで行きたいが、どこまでが中間地点なのか分からないので、何となくまで進むことにする。
「ギギ・・ギャ・・・。」
木の下から声が聞こえる。
俺は驚いた、木の根っこが魔物に絡みつき、体と根っこが一体化している。
えげつなっ!生きたまま殺すとか酷すぎる。
なに?俺も人のこと言えない?知らんな。
そりて、隣の木が動き始める。
「グオオオォォォ!」
こいつもかよ。
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個体名:なし
種族:フェイクウッド
性別:なし
Lv:22
ランク:D
装備:なし
HP:156/156
MP:82/82
攻撃力:93
防御力:62
魔攻:51
魔防:59
敏捷性:38
固有スキル
〔魔力感知〕〔擬態〕
〔エナジードレイン〕
スキル
〔自己再生〕〔土魔法〕
〔水魔法〕
称号
捕食者
ビーストキラー
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種族:フェイクウッド
木に擬態してる植物系の魔物。
凶暴な魔物で同じ種類の魔物以外を敵視している。
また、つたと根による攻撃を得意とする。
エナジードレイン:
HPとMP、体のあらゆる水分を吸い付くすスキル。
ただし、直接体に触れないと効果はない。
自己再生:
MPを自動で消費させて、HPを回復させるスキル。
土魔法:
土魔法を操るために必要なスキル。
鉄魔法もこの部類に入る。
水魔法:
水魔法を操るために必要なスキル。
幻魔法もこの部類に入る。
称号:捕食者
相手を食べた時に魔力が大幅に回復する。
また、一時的にステータスが上昇する。
こいつは、強いな。
魔法使いタイプで、接近戦タイプとか恐すぎ。
敏捷性が低いのが救いか。
さて、どう料理するか。
「主様!私にお任せを!」
アルテミスが俺の前に出た。
おいおい、お前が危険を冒してまでしなくていいんだぞ。
「いえ、私に任せてください。」
わかった、任せる。むちゃだけはしないように。
敵を見下すと痛い目に合うからな。
「わかってますよ。私は主様の使い魔ですよ?簡単には死にませんよ。」
俺と軽口を叩いた彼女は、フェイクウッドと向き合う。
どうやら、フェイクウッドは彼女より、分裂体が食べたいらしい。
魔法を使わないからたぶん、エナジードレインでも使う気かな?
「ふん、木偶の坊が私を無視、ですか。ずいぶんと舐められてますね。」
アルテミスの眼が鋭く光。
彼女は普段は丁寧口調だが、たまに口が悪くなる。
「グオオッ!!」
奴が軽く咆哮をする。
「うるさいですね。枯れ木が!」
アルテミスが毒を吐き、詠唱を始める。
「闇よ、我が主に仇なす者に死の鉄槌を!!」
彼女の足下に魔法陣が浮き上がり、詠唱しながら片手をフェイクウッドにかざす。
すると、赤黒い槍が出現した。
「ダークジャベリン!!」
フェイクウッドに向かって放つ。
「グガァァァアアア!!」
フェイクウッドの胴体に突き刺さる。
だが、これで終わりではない。
「すべてを砕け!ボムッ!」
彼女がかざした手を握る、すると、突き刺さっていた槍が爆発した。
「ウガッ!?」
フェイクウッドの体が吹き飛ぶ。
しかし、フェイクウッドの持つ自己再生で失った部分が治る。
「鬱陶しいですねぇ。私直々に切り刻んであげますよ!」
「闇よ、我が爪となり、罪深き者に永遠の眠りを!シャドウクロウ!」
彼女の両手に黒い光が包み込む。
そして、まるで手袋を嵌めたみたいに、彼女の手は黒くなり、赤い模様がある。
指の先がカギ爪になっている。
「さぁ、消えなさい!」
アルテミスが走りだす。
「ウガァアアアァァアアア!!」
フェイクウッドはつたを鞭の様に振るう。
しかし、そのつたさえも彼女の爪によって切り刻まれていく。
「ぶった切れろ!!」
「ギャアアアアアァァ!」
アルテミスが文字通りに切った。
「やっぱり木偶の坊ですね。」
彼女は真っ二つになったフェイクウッドを冷めた眼で見つめた後、軽く蹴った。
俺は遠くからその様子を見つめていた。
魔法職とはなんだったのだろうか。
これが噂に聞く、魔法(物理)ってやつかな。
アルテミスが戻って来る。
「どうでした?主様、私も殺れますよ。」
おう、よくやった。
「えへへへっ。」
嬉しそうに微笑む。
やっぱ美少女が笑うといいものですな。中身は魔物だけど気にしない。
「ウガァアアア!」
「ギャアアスゥウウウ。」
「アァアアア!」
おっと、まだ居るな。
アルテミス残りもやるぞ。
「はい!主様!」
魔物は基本、脳筋が多いです。(^q^)