モヒカンを消毒する
声の主である男二人がやって来た。
なんと言うか、その、どう見ても野盗もといヒャッハー野郎にしか見えない。
モヒカンだし、口ピアスしてるし。
いや、人は見掛けではないから普通にいい人かもしれないよな。
「おい!いたか!?」
「うるせぇよ!静かにしろよ!ちげぇーのがきちまうだろうが。」
あなたも十分うるさいです。
まぁ、最初に聞こえてきた話の内容からして茂みにいる狐を狙ってるな。富裕層に人気があるみたいだし。
おっと、鑑定忘れてたわ。
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個体名:ザック
種族:人族
性別:男
職業:盗賊
Lv:19
冒険者ランク:D
装備
・麻痺毒ナイフ
・猛毒ナイフ
・レザーアーマー
・布のズボン
・レザーブーツ
・毒耐性のペンダント
HP:57/68
MP:20/20
攻撃力:71
防御力:50
魔攻:14
魔防:25
敏捷性:57
固有スキル
なし
スキル
〔毒耐性〕〔苦痛耐性〕
〔麻痺耐性〕〔嘘吐き〕
〔鍵開け〕 〔罠解除〕
〔剣術〕 〔投擲術〕
職業スキル
〔鍵開け〕 〔隠密〕
〔スピードアップ〕
称号
人殺し
元傭兵
ヒューマンキラー
トラップマスター
ゴブリンキラー
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個体名:マージス
種族:人族
性別:男
職業:剣士
Lv:24
冒険者ランク:D
装備
・鉄の長剣
・鉄の投擲剣
・ニードルアーマー
・鉄の腰当て
・鉄の腕当て
・布のズボン
・レザーブーツ
HP:86/86
MP:26/26
攻撃力:93
防御力:103
魔攻:14
魔防:28
敏捷性:52
固有スキル
なし
スキル
〔麻痺耐性〕〔苦痛耐性〕
〔料理人〕 〔剣術〕〔投擲術〕
職業スキル
〔パワーアップ〕
〔スピードアップ〕
〔剛力〕
称号
人殺し
元傭兵
ヒューマンキラー
ビーストキラー
ゴブリンキラー
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毒耐性:
毒に対する耐性スキル。
苦痛耐性:
肉体的、精神的に受ける苦痛に対する耐性スキル。
麻痺耐性:
麻痺に対する耐性スキル。
投擲術:
物を弾丸の様に放てる技術。
嘘吐き:
嘘を真実の様な錯覚を相手に与えるスキル。
鍵開け:
あらゆる鍵開けの成功率を大幅に上げるスキル。
また、錠前の仕組みも見抜くことができる。
罠解除:
あらゆる罠の仕掛けを解除できるスキル。
料理人:
料理を上手く作ることができるスキル。
食べる、嗅ぐ、見ることで材料を把握できる。
隠密:
隠密行動の成功率アップと隠密行動中の一撃目成功時に与えるダメージアップするスキル。
スピードアップ:
一時的に敏捷性を上昇させるスキル。
パワーアップ:
一時的に攻撃力を上昇させるスキル。
剛力:
筋力を上昇させるスキル
称号:人殺し
罪悪感も無く人を殺した者に贈られる称号。
称号:元傭兵
傭兵を辞めた者に贈られる称号。
称号:ヒューマンキラー
人を50人殺した者に贈られる称号
人相手に与えるダメージ増加、受けるダメージ減少。
称号:ビーストキラー
獣系の魔物を1人で60匹倒した者に贈られる称号。
獣系に与えるダメージ増加、受けるダメージ減少。
称号:トラップマスター
トラップを仕掛けたさいにトラップの威力と効果を上げるスキル。
あぁ、これはダメな奴ですわ。
もうスキルの一つ一つが相手を落とし入れることしか考えてない。
てか、あの刺々しい鎧、あんなデザインなのに全く効果ないのかよ。
「お!見つけたぜ!こんな所に隠れてやがった。」
「麻痺はしっかりと効いてるな。おい、綺麗殺れよ。毛皮は高く売れるからな。」
よし、汚物は消毒しないとな、あとで困る。
俺が草むらから飛び出すと男達が振り向く。
「!!」
「なんだ、スライムかよ。驚かせやがって。」
「つーかなんだありゃ?スライムの癖に生意気にも高そうな帽子を装備してやがる。」
「おい!てめぇなに人間様の真似して帽子なんて被ってんだ?ああ!?いますぐよこせよ!雑魚モンスターが!」
ぴーぴーうるさいな。世紀末ヘアがどう帽子を被るんだよ。
「キュウ・・・・キュウ・・・・。」
どうやら子狐の麻痺は少し解けてきたらしい。
「おい、その魔物の麻痺が切れ欠けてるぞ!スライムの方は俺が仕留めるからそっち殺れ。」
「ああ。」
おい!そこのナイフモヒカン、狐っ子に手ェだすなや!
木の上から例の如くスライムの雨を降らす。
「な、なんだ!?スライムか!?」
モヒカンがギリギリの処を避ける。
チッ外したか。
「くそ!木の上に居やがった。」
「なんでスライムが降ってくんだよ!普通地面を這いずり回るだけの生き物だろ!」
心外である。 現に降ってきただろ。間抜けかてめぇらは?
しょうがない、向こうが来ないとスライムレイン(今命名)が使えない。
だから、こっちから行ってやる。
「おいおいおい!なんの冗談だよ、なんであんなにスライムが居るんだ!?聞いてねーぞ!!」
「百、二百はくだらないぞ!」
ただのスライムじゃないさ。一匹一匹が俺の言うこと忠実に執行する、言わば規律のとれた軍隊と呼べる。
500を越えるスライムだ少なくともお前ら二人には負けん。
さぁ、みんな、食事の時間だ!!
「く、くるな!うわああぁぁあ!!!」
「な、スライムが跳んだ!?」
男達はスライムに呑み込まれる。
「くそ!放せくそが!」
男達の抵抗が思った以上に激しく、窒息させれない。
ならスライムらしくいこうか。
ジュウッ!ジュ~ッ!「な、なんの音だ!?」
「がっ!?い、いてーよ!な、なんだ?・・・!!お、俺が溶かされてる!?」
「や、やめっうがあぁあ!!」
スライムの攻撃の味はどうだ?散々馬鹿にした相手の攻撃はよ。
分裂体の攻撃のダメージは低くい、だが、低くいからこそ痛みが永続きする。
苦痛耐性があっても辛そうだ。耐性はあくまで耐性だ。
しばらくして、男達から悲鳴が消えた。
命の灯火が消えたからだ。
『グリーンピースのLvが10に上がりました。』
段々と人間から魔物っぽくなってきたな。
男達を倒してから落ち着きを取り戻した俺はそう思った。
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