怪我をした子狐
ヒロイン(?)登場です。
あれから少したった。
足の震えがやっと治まった。足なぞ無いけどな。
はぁ~っどうしようかな。
このまま渡ればさっきの虎獅子に会いそうで恐い。
そういえば、さっきスキルを手にいれてから恐さが薄れたな。
えーっと、恐怖耐性か。そのまんまの意味かな。
恐怖耐性
恐怖に耐えるスキル。
そのまんまでした。
お陰で助かった。精神的に。
ん~、よし!決めた。渡ろう。
会いそうだから行かない、なんてひ弱なことを言ってたらそこら辺のスライムと変わらないじゃないか。
俺達は川を超えて、虎獅子の跳んでいった方と90度違う方角に向かうことにする。
あれを倒すにしても力不足、いや数不足だ。
少なくても8000は必要くな。
ただし、あいつがもっと強くなっていたら別だが。
全員無事に渡りきり、進んでいく。
どこまで行っても木ばかりだな、俺もしかして永遠に森の中からでれないパターンかね。
お、何か弱々しい反応がある。
今にも消えそうな感じだな。
見にいってみるか、他の反応は無いし。
反応の近くにきた。
ただ、弱っていると言っても、あくまで魔力的にである。
魔力を持たないものには反応しない。まぁこの世界にはいないと思うけど。
どうやらあの茂みに隠れているみたいだ。
もしものために、分裂体で回りを固める。
これで襲われても対処できるはず、たぶんだけど。
俺は確認するために茂みの中を見る。
中にいたのは、黒い犬? いや、尻尾の太さから見て犬じゃない。
これは狐だ。
目は黄金に輝いており、尻尾は太く先のほうは白い、思わずモフりたくなる。
毛は黒で、背中には黄色の模様で、その形は三日月と六芒星であった。
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個体名:なし
種族:リトルルナフォックス
性別:メス
Lv:7
ランク:D
装備:なし
状態異常
・麻痺|(中)
HP:6/52
MP:12/68
攻撃力:24
防御力:26
魔攻:59
魔防:51
敏捷性:87
固有スキル
〔暗視〕〔変化〕
〔月面重力〕
スキル
〔呪い耐性〕〔弱体化耐性〕
〔石化無効〕 〔魅了無効〕
〔星魔法〕
称号
月の加護
ワームキラー
ラビットキラー
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種族:リトルルナフォックス
ルナフォックスの子供、黒い毛並みで、背中に月と星の様な模様があるのが特徴的。
レアモンスターとして人間の間では毛皮や剥製として富裕層に好まれる。
また、希にスキル〔変化〕を持って産まれる場合があり、ペットとして富裕層に親しまれる。ただし、数が少なく見かける事態奇跡である。
〔変化〕持ちの個体が大人になると〔七変化〕にスキルが変わる。
今まで見てきた魔物と違い説明が長いし、耐性スキルも多いな。
てか、レアモンスターで変化持ちなのな。
暗視:
暗闇でも昼間の様に明るく見える。
変化:
変幻自在に姿を変えることができる。
変化を見破られる場合もある。
月面重力:
自分と物体|(生き物以外)重さを6分の1に減らす。
自分以外に使う場合は対象は1つのみ。
呪い耐性:
呪いに対する耐性
弱体化耐性:
ステータスダウンに対する耐性。
石化無効:
石化する魔法、スキル等を無効にする。
魅了無効:
魅了する魔法、スキル等を無効にする。
星魔法:
別名闇魔法とも言う。
星魔法を扱うために必要なスキル。
称号:月の加護
月の女神の加護。
月が空を照らしている間だけステータスアップする。
称号:ワームキラー
蟲系の魔物を1人で30匹倒した者に贈られる称号。
蟲系の魔物に与えるダメージ増加、受けるダメージ減少。
称号:ラビットキラー
兎系の魔物を1人で20匹倒した者に贈られる称号。
兎系の魔物に与えるダメージ増加、受けるダメージ減少。
麻痺か、どうりで全く動かない訳だ。
リトルってことはだ、こいつは子供ってことでいいのかな。
親はいないのか?いや、居たらこんなことになってないか。
「おい、あの魔獣のガキはこっちか!?どこにいったんだよ」
「しるかボケがぁ!だいたいてめぇが仕留めそこねたのが原因だろ!せっかくのレアモンスターを逃がしやがってよ!?」
「しょうがねぇだろ!あれ一匹で当分は遊んで暮らせるとか言うからだろ!大丈夫だ、麻痺毒のナイフをくらってんだこの辺にでも倒れているだろうよ。」
おや、少し離れた所で誰かの話声が聞こえてくる。
なんか嫌な予感がするな。
皆近くの木や草むらの陰に移動するぞ!