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悪い娘

作者: ゴマ

私は悪い娘。



私は高校生。


私は気に入らないことが大嫌い。


だから、私は自分が気に入らないのは徹底的になくす。


私より美人なのは許せない。頭から牛乳をかけてやる。


私より頭が良いなのは許せない。自分の頭が良かったことを後悔させてやる。



私は悪い娘。



私は完璧だ。


私は人より上に立つのが好き。


だから、私は努力する。


勉強だって誰よりもできる。


スタイルだって磨く。



私は悪い娘。



私は男子が集まってきても蹴散らす。


私は恋なんてしない。


だって、恋はせっかく人の上に立ったのにそれを脅かすから。


だけどある日胸が苦しくなった。恋をした。


あの人の前に立つだけで逃げ出したくなる。こんなんじゃ、だめ。



私は恋する乙女。



自分のことを押さえつける。


苦しい。本当のことを伝えたい。


だめ。私は最高の娘。


だけど、私は見てしまった。


彼は私が一番ライバル視しているあの娘とつきあっていた。



私は嫉妬する女。



夜な夜な涙がこぼれる。


そして決心した。


明日告白する。


あの娘に彼は似合わない。


勝算はある。



私は戦う女。



やった。勝ち取った。


あの女の悔しそうな顔。


私はこの後地獄を体感するだろう。


でもせめて、今だけは――――。


この幸せなときだけは崩さないで。



私はどんくさい娘。



その日から私はいじめられるようになった。


慰めてくれるのは彼だけ。


私はまた決心した。


私は彼にすべてを捧げよう。


身も心も――――。



私は悪い娘。



子供ができたら彼はさっさと別れて別の女を作った。


いじめはエスカレートした。


いいの? そんなことして? 私はその道のエキスパートだよ?


もう許さない。泣いて土下座しようが、全財産をくれようが。


女は一人一人片付けよう。彼は裁判にかけよう。



私は弱い娘。



そんなことできない。


そんなことをしたら、生まれてくる子はどうなるの?


せいぜい楽しむが良い。


お前達はそんなので人の上に立てると思っているのか。


私は気付いた。



私も同じことをしていた。やっていたことは必ず返ってくる。ならば耐えよう。生まれてくる子のために。



私は子供のために命をかける母親。

これは私が一人で帰宅しているときにふと思いついてそのまま勢いで書いたものです。当時は一体何を考えていたんだ……。


少女は母親となり、子供のためにその身の罪を清算します。あなたは何かのために罪を清算できますか?

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