2章第18話:『ヘカトンケイル』
茜と成神が体育館で激しい攻防を繰り広げる。
「それでA達はどこに行ったのかしら?」
「ああ、匿名Aなら日立一夏太のところへ行きましたよ、もう一人の大柄な男はヘカトンケイルと戦っているでしょう」
成神が喋りながら槍で茜の攻撃を受け止める。
「ヘカトンケイル?」
「ええ、私の能力でこの少年院の収容者を合成して作ったキメラですよ。急拵えにしては良い出来だと自負してますよ」
「ここの人たちを合成してキメラにした……?頭がおかしいんじゃないの」
「頭がおかしいなんて心外ですね」
成神が槍を振り、茜に攻撃する。
「ワンパターンよ」
しかしそれは茜が超加速で後ろに避けて回避される。
「ではこれはどうでしょう?」
成神の槍の先端が伸びて前の茜を狙う。
「なっ!?あっぶないわね、そんなこともできるの?」
体を反って槍を避ける。
「こんなこともできますよ」
槍が分裂し、二つの剣となる。
「え、なに人の武器パクってんのよ!それうちの矢部が死ぬほど苦労して作ったやつなのに!?」
「能力を使えば再現するのなんて造作もないですよ」
「面倒なやつね」
(こっちはまだ耐えてるけど石狩さんは大丈夫かな〜、ここの人たちってわかったら石狩さん優しいから本気出せなそうなのよね、)
「考え事とは余裕ですね」
成神が二つの剣を器用に連続して攻撃する。
その攻撃を超加速を駆使して対応する。
「実際余裕だからね」
刹那に生まれた成神の隙に茜が仕掛ける。
「【鎧袖一触】!!!」
超化・攻を使い、攻撃力を上げて攻撃する。
斧に変形したペテルギウスが成神を狙う。
「がぁっ!はは、危ない、危ない」
しかし成神の槍が盾に変形し、ダメージを最小限に抑える。
(こいつ、私の超化に慣れてきてるな。早めに決着をつけないと)
「余裕がないのはどちらですかね?」
「その気持ち悪い薄ら笑いをなくしてあげるわ」
一方石狩は
「はぁ!こいつ、なんて生命力だ…」
成神の作り出したヘカトンケイルを相手に苦戦していた。
「おそらくここの収容者、63人のうち解放した一人を除いた62人の体を使って作られたキメラ」
石狩が剣を再度構える。
「つまり、こいつは62回の致命傷を与えなければ倒れないということだろうな。早くA達に合流したいが時間がかかりそうだ」
ヘカトンケイルが腕をチェーンのように繋いで伸ばしながら石狩に攻撃する。
「くっ!力も尋常じゃないな」
剣で受け止めるが衝撃を殺しきれずに後ろに飛ばされる。
「た、たの、しぃぃ………???」
「このままではまずいが、そろそろ」
ヘカトンケイルが再度攻撃する。
しかしその攻撃は石狩に弾かれる。
「やっとか、自分に課してるものだが毎度ひやひやする」
石狩の身体能力が急上昇する。
「能力を使用する」
制限していた能力を解放する。




