2章第17話:『超化』
体育館で金属同士の衝撃音が鳴り響く。
「は、ぁぁぁ!」
茜の細剣が成神の首を狙う。
「残念、失敗ですね」
しかし、成神の首が鋼鉄に変わり、カーン!と金属音がなる。
「次はこっちの番ですね」
成神の腕が槍に変わり、茜の腹を狙う。
それは寸分の違いなく茜の体を貫かんと迫っていく。
まさに槍が茜の体を貫通する直前、
「【超化・速】」
そこに茜はいなかった。
「ん?どこに、!」
いつの間にか成神の背後に立って細剣を構え、振るう。
直前で成神の体が鋼鉄に変わり、攻撃を防ぐ。
しかし鋼鉄化の間に合わなかった皮膚の一部から出血する。
「いつのまに、それがあなたの能力ですか。一時的な超加速、厄介ですね」
成神の体が鋼鉄に変質する。
「しかし、攻撃は当たってもあなたの力では私のこの鋼鉄の体に傷はつけられない」
成神は茜の能力の弱点を見破り、対策として体の全てを鋼鉄に変えた。
「それはどうかしら、ねっ!」
茜が再び超加速し、成神に近づく。
「無駄ですよ」
成神に近づき、攻撃を仕掛ける時に茜の細剣が巨大な斧に変形する。
「何!?」
「【超化・攻】」
茜が巨大な斧を成神の体に振るう。
「がぁ!!」
その攻撃は成神の鋼鉄の体を砕き、体育館の壁まで吹き飛ばした。
「、、なるほど。超加速ではなく、一部の身体能力の底上げ。それがあなたの能力」
「その通り、私の能力は超化。速度や攻撃力などを爆発的にあげることができる」
「それに加えて、変形する武器ですか」
「ええ。私の専用武器、《ペテルギウス》。私のイメージに応じて剣や斧に変えることができる、うちの科学技術班班長の最高傑作よ」
成神が立ち上がり、笑い出す。
「ははっ、はは、はっ、舐めてましたよ、本気でいかせてもらいましょうか」
成神の体から無数の武器が放出される。
「無駄よ、【超化・防】」
ペテルギウスが斧から巨大な盾に変わり茜を守る。
「これも駄目、困ったものですね。では、これで」
成神が背中から禍々しい槍がめきめきと音を立てて出てくる。
背中から血が蒸発する音がしながら、成神が引き抜く。
「あ、ああ、あぁ、抜けた抜けた」
成神の手には真紅の槍。
「何、それ」
「これは私の血で作った血の槍。私の能力は簡単に言えば合成と分解みたいなものでですね、さっきは前に私の体に合成した武器を分解して出した感じということです」
「鋼鉄化も取り込んだ鋼鉄を分解して体に出したってことね。それにしても鋼鉄を食べるとか気色悪すぎでしょ……」
「失礼ですね、ではいきましょうか」
成神が槍を構え茜に攻撃を仕掛ける。




