2章第9話:『お守り』
「幼馴染……?それは本当なの?」
「幼馴染って意味ならそうだし、そのサインを書くやつは俺の幼馴染だけだと思う」
「サインといったが君はその日立という者のサインを見たことでもあるのかい?」
その言葉にAがお守りを取り出す。
それをテーブルに置き、
「このお守りにサインが書かれているだろ」
Aが置いたお守りにはHi^2とサインが書かれていた。
「なるほどねぇ、じゃあとりあえずその日立一夏太という人物について教えてくれるかい?」
「ああ、だけど俺も今本当に犯人が日立一夏太とは思えない。少なくとも人を殺すような奴ではないしあいつは契約者ではないと思う」
矢部が顎に手を当て思案する。
「では考えられる可能性は二つ、①日立一夏太は契約者ではなく事件にも無関係、②日立一夏太は契約者でA君にそのことを隠し今回の事件を起こした」
矢部がこれまでのことを整理して話す。
「でも①はサインが偶然一致するなんて起きるわけないから②であると僕は思うが」
「あ、え、えとそれについてだけど」
Hが突然喋り出す。
「え!?Hが発言してる!こんなこと初めてなんだけど、今日はすごいわね」
「え、だよな?すごいな」
茜と石狩がHの初の発言に驚く。
「その、もともと日立ってやつが契約者じゃなくても誰かに契約させられたかもしれなくない?」
「そんなこと普通の人にはできないだろう?」
「……《代理人》、そう名乗るやつはそれができる」
Hが確信を持っていう。
「代理人?なんだいそれは?」
「そいつはこの世界には神と契約者の他に《代理人》という存在がいるって言ってた、そいつに俺は能力を与えられた」
そのHの発言に全員が驚愕する。
「待って!?そんなことが代理人と呼ばれる奴らはできるの?何者なの?」
「俺があったやつは神の分身とか言ってた、目的はわからない。だけどあいつらは能力を与える力を持っている」
「なるほど、ではH君は③として日立一夏太は契約者ではなかったが代理人によって契約者にされたと言いたいわけか」
「そ、そう」
矢部がHの言いたいことを噛み砕き説明する。
「A君はどう思う?」
「俺は……③だと思う。代理人ってやつが一夏太によくないことを吹き込んでいいようにしているかもしれない、それに力を持った人は考えがおかしくなるのもわかる」
「①とは言わないんだね、立派なことだ」
「うるせーよ」
「じゃあAは日立一夏太に連絡してもらえるかしら?」
茜の言葉に少し気まずそうにAが答える。
「それが最近連絡が未読無視ばっかで連絡が取れてないんだよ」
「なるほどね、そこも加味して日立一夏太が怪しいと考えたわけか」
「わかったわ、それなら③だと仮定してまずは日立一夏太の無力化に加えて代理人の存在の確認と捕縛して事情を聞きましょう」
茜がこれまでの話し合いをまとめる。
「じゃあA君達に日立一夏太の家へ向かわせよう、無実の場合は可哀想だが捕縛後に尋問し真偽を確かめる」
「わかった、それでいこう」
「おっけー、じゃあAと石狩は部隊を率いて日立一夏太の家へ入って捕縛して」
「「了解」」
「じゃあこれで会議は終了!お疲れさま」
会議が終わりそれぞれが帰っていく。
「A、会議の後で悪いが部隊について話し合おう」
石狩がAに提案してきた。
「もちろんです」
Aは承諾してそのまま会議室に残った。




