第三十五話:『別れと再会』
今井、Hの影との戦いが終わってから一か月後。
Aは受験が終わり、無事第一志望校に受かった。
「俺もあったぞ!A、俺もあった!」
同級生の日立も合格していたようだ。
「よかったな、一夏太。高校は別だけど頑張ろうぜ」
「ああ、これでお前も医大に行けるじゃん。良かったな」
「まだ医者になる気はそんなないけどな。一応選択肢を増やすためにな」
その後Aは家に帰りごろごろしていた。
その時端末から連絡が入る。
「ん?なんだ、え、ダークナイツ指定の高校に入ってもらう?」
連絡には〇〇高校へ入れとあった。
「じゃあ受験した意味ねーじゃん」
そんなこんなでAの三学期はあっという間に終わった。
そして卒業式の日がやってきた。
卒業式はなんの問題もなく終わり、日立と一緒に最後の下校をした。
「ついに俺らもお別れだな、A」
「そうだな、高校でも頑張れよ。漫画家になりたいんだろ?」
「あ、ああ。そうだよ、絶対売れっ子の漫画家になってやるんだ」
一夏太の夢は漫画家だ。
小学生の頃から漫画家で隙あらばノートに漫画を描いていた。
「じゃあこのお守りにプレ値でもつくかな〜」
お守りというのは受験の直前に一夏太が太宰府天満宮で買ったお守りにサインを書いたものだ。
「そりゃそうだろ、でも売るなよ?」
「それは保証しかねる」
「いや、ほんとに売るなよ!?わかってるよな!?」
焦る一夏太を適当にいなしながら歩いているともう家の近くにまできていた。
「じゃあこれで最後だな」
Aが家の前で別れを告げる。
「べつにもう離れ離れじゃないだろ?漫画描いたら毎回送るから楽しみにしててくれよ」
「ああ、それじゃ」
「またな」
そしてAは家に入った。
「ご飯、用意しねーと。洗濯物も、ルリの有り難みがわかるな、」
テキパキと手を動かす。
「はあ、ルリもいないし一夏太とも別れちったから暇だな。高校でいいやついればいいんだけど」
それから新しい高校の始業式の朝。
「ダークナイツ指定の高校かぁ、変なの多そうで嫌だな」
そうぼやきながら朝の支度をし、学校へ向かった。
教室に入り席に座ると隣の席に見覚えのある人物が座っていた。
「匿名Kじゃん」
「ん?お前、匿名Aか。久しぶりだな、色々大変だったらしいな」
「ああ、大変だったよ。ていうかお前もこの高校だったのか」
「そうだよ、でもよかったわ。知り合いいて」
「俺も不安だったからよかったわ」
思わぬ再会だったがAは嬉しく思い、その日はKと一緒に行動した。




