第三十話:『幼女的火砕流』
複数の影の兵隊とミハエルの分身が迫る。
「数が多いな……、なら本体を叩くだけだ!」
目の前の影を幼女的浮遊で躱し、今井へと近づく。
「うぉ!やめてよー、俺近接苦手って言ったじゃん」
そういいながら自分の影から剣を作り、Aの攻撃を受け止める。
「は!?そんなこともできんのかよっ!」
苦手の割に見事な攻撃にその言葉が嘘だと悟る。
「ロリ制圧班の部隊長が近接苦手の分身使いで務まると思ったか?バカだねー」
そうこうしているうちに影が後ろから迫る。
(まずいな、このままだと挟み撃ちでやられるしそれを避けてもジリ貧だな)
「やっぱあれしかないか」
「"あれ"?」
Aが今井の後ろへ飛び、影からも距離をとる。
(矢部から言われた考えた必殺技。自力じゃ無理だが"あれ"を使えばいける!)
「残火、不残火」
「っ!あいつ詠唱する気か!させるかよ、ミハエル!」
今井が分身ミハエルと同時にAに攻撃を仕掛ける。
「鳥は翼を焼kっ!ちっ、流石にそんな隙は与えてくれないか」
「悪いけど詠唱を素直にさせてやるほどお行儀良くないんよ」
(流石に目の前で詠唱を見逃してはくれないか、なら!)
「幼女的浮遊&幼女的大楯」
Aは幼女的浮遊で宙に舞い自身を幼女的大楯で覆った。
「能力の同時発動!?なんのために…?いや、あいつ盾の中で詠唱を済ませる気か!」
今井はAの狙いに気づき、即座に影と共に総攻撃を仕掛ける。
盾が攻撃に耐えられずに崩壊する。
しかし、
「もう終わってるよ、バカ」
Aの詠唱が完了する。
「幼女的火砕流!!!」
強烈な爆発が訓練場を支配した。
「なっ!くそっ、がぁぁぁぁぁ!」
今井が影と共に吹き飛ばされる。
今井は影を盾にし、生き延びたが影は全滅した。
影を失い孤立無援となった今井へ刀を向けて言い放つ。
「もう影は全部なくなった。お前も重症だ。勝ち目はない、終わりだ。」
「ははっ!はは!はははは!」
突然今井が笑い出す。
「何が可笑しい」
「はあ、たしかに俺が自由に操れる影はもういねーよ。でもな、制御不可能な影ならまだいるんだよ。とっておきのな」
今井の影から凄まじい気配が蠢き始める。
「すげーよ、A。まさか俺にこれを出させるとはな」
影が人を型取り始める。
「形影模写・匿名H」
影のHは近くの今井へ向けてナイフで攻撃する。
「お前なんかに殺されるぐらいならこいつに殺られて道連れにしてやるよ、地獄でまた会おうぜA」
今井の首が掻っ切られ、噴水のように首から血が吹き出して絶命した。
「おいおい、まじかよ……」
主人を殺してもなお影のHは消滅せずにAへと標的を変える。
「あのクソ野郎、やりやがった」
そして、今井のいない第三ラウンドが開始された。




