第二十九話『幼刀〈瑠璃〉』
今井が距離を取り自身の影に手を入れる。
「【形影模写・ミハエル=ラグナロク】」
すると今井の影から突然ミハエルの形をした影が出てきた。
「俺はあんま戦うの得意じゃないから後は任せたよ、ミハエル君」
今井はそこからさらに距離を取った。
「ミハエルの影、ノーパソに載ってた形影模写か」
「おお!やっぱり知ってるよなー、お前の知ってる通り俺に影を踏まれた人間をコピーした影を作れる」
つらつらと今井が能力の説明をする。
「いやー、ミハエルも馬鹿だよなー。俺が班長にさせてやるから協力しようって言ったら疑わずに協力してくれたしよー、ロリを愛でたいなんて嘘に決まってんのにさ」
「協力するフリしてミハエルを利用したのか。とことんクズだな、お前」
Aは初任務の時の襲撃に合点がいきつつ、ミハエルの分身を狙う。
「お前は分身に任せて高みの見物か?ださいもんだな」
「くくっ、そんな挑発になるわけないだろ。やれ、ミハエル」
今井の命令を受け、分身が仕掛ける。
「地面泥化」
突如Aの地面だけがぬかるみ出す。
「うおっ、能力も使えるのか!?」
足場を崩されたAに分身が向かう。
「くそっ!幼女的浮遊」
Aは抜け出すために宙へ浮いた。
分身も泥の柱をつくりAの所へ上がってきた。
「ぐっ、くっ、あがぁ!」
連続で腹に重たい打撃を喰らわされ、幼女的浮遊が解除される。
「やっぱりお前、能力弱体化してるよね」
「……」
今井の言葉で自身でも気づいていた不調を意識する。
「たぶんルリちゃんを死なせた罪悪感でロリの力を使うのを意識的にも無意識的にも制限してんだろーね。俺からしたら好都合なんだけど」
「うっせーよ、外野からガヤガヤ。それを補うためにこれをもらったんだよ」
そういってAは刀に力を込め、地面へと突き刺す。
「幼女的刀降」
刀から幼力本願が発動し、刀の雨がミハエルの分身に降り注ぐ。
分身はすぐさま泥の盾を作り防いだが何本か直撃し、隙が生まれた。
「おっしゃ!今だ!おぅらぁ!」
分身に近づき、刀を振るう。
先程よりも分身の動きぐ鈍くなり、形勢が逆転する。
「なんだそれ?刀が能力を使った?」
「ルリの遺骨で作った幼刀だ。銘は瑠璃、お前を殺すための刀だ。覚えておけ」
「ふーん、あのガキの遺骨で?まあいい、ミハエルは倒されるとだるいしちと追加するか。形影模写・影の兵隊!」
今井によって影の兵士たちが追加で召喚される。
兵士たちがミハエルの分身とAの間に入り、邪魔をする。
「こっからは仕切り直し、第二ラウンドの開始だ」




