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二十八話:『今井の計画』

十九時の誰もいない訓練所にて


こつこつと静かに歩く者と中央で静かに立っている者がいた。


「A君、久しぶり。ルリちゃんの葬式以来だよね?君がダークナイツ辞めるってなった時は驚いたよ。」


今井がいつも通りのテンションで話しかける。


「実はそのルリの件で話を聞きたくて」


今井が少し表情を変えて話す。


「ごめんだけどA君の役に立つような情報はもってないよ?俺はルリ君が死んだ時は任務で忙しかったからさ」


今井が予想通りの答えを返してくる。


今井がその日に何をしてたのかはもう調査済みでわかっていた。


今井はその日は本当に任務に行っていた。


「俺が聞きたいのはそんなことじゃないですよ。」


「ん?じゃあ何さ」


「あなたがルリを殺したかって聞いてんだよ」


「は?」


Aの予想外の言葉に今井は困惑する。


「俺がルリちゃんを殺した?何いってるんだよ、俺はその日任務って」


「そんなのあなたの影の神の力で分身を作れば容易にできる、違うか?」


「……なんで君が僕の能力を知っているのかな」


今井が険しい表情で問いかける。


「実は知り合いにダークナイツのトップがいてな、お前の能力を調べさせてもらったよ」


「なるほど、でもそれだけで僕がルリ君を殺したなんて決めつけるのは突飛な発想じゃないかい?」


「ああ、そうだな。でも遊園地の監視カメラをハックして見てみたらルリが殺された日に入場口でお前の姿が映ってんだよ」


「………」


「お前は任務と言って誤魔化したがなんで遊園地にいたんだ?」


今井が言葉に詰まる。


かと思えば今井は急に吐き出すように喋り出した。


「…………あーぁ、もうそこまで調べたのかよ、うっっっぜえなぁぁ」


突然今井の態度が変わる。


「やっぱりお前がルリを……!」


「あーはいはい、そうですよー。お前を苦しめるにはあのガキ殺すのが一番お手軽だったからな」


「俺を苦しめる?なんでそんな俺に敵対すんだよ!」


「いやー、俺は権力が欲しいんだよ。人の上に立って人を見下すために。そのためにはお前がロリ制圧班の班長になるのは困るってわけ。パードゥン?」


「そんな理由でルリを殺したのか……?」


Aが絶句しながら問う。


「おん。そーだよ、ガキ殺す理由なんてそんなんでいいだろ?」


「……そんなにペラペラ喋っていいのか?俺がそれを報告すればお前が上に立つなんて不可能だぞ」


「何いってんの?ここでお前を殺しちゃえばいいだろ。たぶんお前のキモいプライドで正々堂々敵を討つ!とか考えてここに誰もいないんだろ?」


「それがどうしたんだよ」


「ほんっとバカだなー、お前。誰もいないならここでお前を殺せば俺がなんとでも事実を変えられるだろ?誰もいねーんだから」


今井が愉快そうに話す。


「だから何だよ、俺がお前を殺せばいいんだろっ!」


その言葉と同時に今井との距離を詰めて刀を振るう。


「うひょぉ!あぶねぇー、怖い怖い」


今井はすぐさま後ろに避ける。


「ここでルリの仇を取ってやるよ、見てろよルリ」


Aと今井の一騎打ちの火蓋が開かれた。



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