第十五話:『マッドサイエンティスト矢部」
翌朝匿名Aはルリの朝食を作って、科学技術班の本部へと向かった。
目的地へと辿り着くと目の前には東京ドームを超えるほどの大きさのラボのような建物が立っていた。
「あ、やっときたかい。待ちくたびれたよ、A君」
厳重な門の前で白衣を着ている男がいた。
「私の名前は矢部淳也、呼び名はなんとでも呼ぶといい。それとこんな場所じゃなんだし中へ入ろう」
Aは頷き中へと入った。
中にはさまざまなユニットパーツや改造が施された武器が置いてあった。
Aがその一つを触ろうと手を伸ばすと、
「あぁ、ここに置いてある武器は全部ダミーだから触ると爆発するよ。気を付けたまえ」
急いで手を引いた。
「怖すぎでしょ。でも攻められた時は役に立ちそうだな」
「私の案だ。いいだろう?」
矢部は不敵な笑みを浮かべながら言った。
結構やばい人かもしれない。
「おっと、ここだ。さあ早く実験を始めようじゃないか!」
特殊実験室という場所で矢部は止まった。
中へ入ると部屋は傷だらけでまさに実験室という感じを醸し出している。
「ここで何するんすか?ニコライから何も聞かされてないんで」
「すること?沢山あるさ。とりあえず君の幼力本願の効果範囲や能力の応用力の高さ、それに何故君がロリの神にそこまで優遇されているのか。知りたいことは山ほどある。」
「はぁ、なるほど…」
明らかに面倒くさそうにAは返事した。
「とりあえず、ルリ君に渡した名簿は覚えてきてくれたかい?」
「もちろん覚えてきましたよ」
「え、全部かい?」
「えぇ、全部」
Aの返答を聞き矢部は笑いだした。
「ははっ!すごいね、まさか本当に全部覚えてくるなんて!これは予想外のロリコンだ」
「で、この名簿覚えた意味って何すか」
「あぁ、そうだね。でも説明するより実際に体験した方がいいと思うよ。一回能力を使ってみたまえ、私の予想ではすごいことになってるよ」
矢部に促され、幼力本願を解放する。
「どういうこ……っ!何だこれ!」
Aの体にこれまでとは比にならないほどの力が流れてきた。
「おっ!やはり私の予想は合っていたようだね。説明すると君の幼力本願の力の源はロリ。おそらくこれまでの君は自身を中心とした半径一キロメートルに存在するロリの力しか扱えなかった」
しかし!と言って矢部がこちらを見る。
「その効果範囲は君がロリを認知することによって大きく変わる。だから君にアジア圏の全てのロリを覚えさせ、認知させたのさ。」
「つまり、今俺はアジア圏の全てのロリの力を使えるっことか」
「その通り!ここにきてよかっただろう?ん?どうだい?」
「はいはい、よかったですよ。」
うざがりながらAが認める。
「いやぁ、それにしても君の能力のポテンシャルは恐ろしいな。これを調べられるとはゾクゾクするねぇ」
またしても矢部は不敵に笑った。




