最初が肝心
ついにミリーの店の開店当日となった。
「行列が出来てますね、試供品が好評だったんですね」
「それだけじゃないわ、今日から1週間はオープン記念として定価より安く売るわ」
「えっ、定価も結構安いと思いますが」
「こういうのは最初が肝心なのよ、掴んだお客の心を逃さない為には多少の損は必要よ」
そして、開店時間となるとお客が一気に入ってきて店内は賑やかとなった。
「この口紅、隣国で流行ってる物じゃない?」
「このファンデーション肌に優しいのよね」
「髪飾り可愛いわ」
ワイワイキャッキャッと商品を手にして喋る客の姿を見てミリーは笑顔になる。
(やっぱりこの道を選んで正解だったわ)
ミリーはそんな事を思いながら対応をしていた。
開店初日は閉店時間になる前に商品はほぼ売り切れとなった。
「つ、疲れましたねぇ……」
ヘレンは慣れない接客にヘロヘロとなっていた。
「こんなの序の口よ、1週間は続くんだから」
「ミリー様は慣れてらっしゃるんですね」
「この1年間、経験を色々してきたからね」
ヘレンはミリーが逞しく見えた。
ミリーの予測通り1週間は忙しい日々を迎え売上も満足のいくものになった。
商人ミリーの新たな人生は上々のスタートとなった。