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親の心はわからない、でも客の心は掴みます

 ヘレンが加わった事でミリーの店の準備は捗っていた。


「その商品はあっちの棚に、この商品はこっちの棚にお願いね」


「はい、わかりました」


 ヘレンに指示するだけでなくミリーも棚に商品を置いている。


「ミリー様は本当に変わりましたね……」


「確かに変わったかもしれないわね、公爵令嬢の時は自分の意志なんて無かったから」


 そう言ってミリーは苦笑いした。


「こうしてミリー様と仕事する日が来るなんて思いもしませんでした」


「え? でも、一緒に洗濯とか掃除もしたよね?」


「アレはした、と言うかやらされたの間違いですよ。 なんせ奥様の命令でミリー様の部屋は放置状態でしたし」


「今考えるとおかしいわよね? 私何もお母様に悪い事してないし……、なんで憎まれていたのかしら?」


「憎まれるとか以前に何も感情を持っていなかったんでしょう」


「でも義弟や義妹達は愛されていたみたいよ」


「う〜ん……、もしかして奥様はミリー様をライバルだと思っていたのではないでしょうか?」


「お母様が私を?」


「えぇ、ミリー様は美しいですからね、嫉妬していたんじゃないかと思います」


「実の娘なのに?」


「あくまで想像ですけどね、でも中にはいるみたいですよ。 親の自覚が無い人達が」


「子供は親を選ぶ事が出来ないから……、なんとも言えないわね」


「ところで、この籠に入っているのは何処に置きますか?」


「あぁ、それは試供品だから外に置いてちょうだい」


「試供品、ですか?」


「そう、まずは使ってみてもらわないと商品の価値がわからないじゃない」


「なるほど……」


 実際、店の前に試供品を置いて『ご自由にお持ちください』と張り紙を貼ると、すぐに試供品を無くなった。


 勿論、次の日も置き少なくなると補充しての繰り返しを開店までやった。


 そして、開店当日には行列が出来ていた、という。

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