夢の中
夢の話、という時に、将来のことよりもまず、昨夜はどんな夢を見たか、というのを考える。それはきっと、成人したがゆえ、なのだろう。
夢の中のことは、覚えていそうで覚えていない。起きた瞬間というのは、悪夢にうなされた、という意識があったはずなのに、ほんの数秒後には忘れてしまったりする。あんなに怖かったのに、あんなに楽しかったのに、それを書き留めようとした瞬間から、自分の手からするりと抜けていってしまう。
「夢を日記につけていると、現実との境界線が曖昧になってしまう」なんて話もあるし、全てを記録する必要など、無いのかもしれない。
それでも、何度も繰り返してみるような夢であれば、記憶に刻まれたりもする。
これが自分の場合は、身体がとても大きくなり、全身の感覚が思うように感じられない、という夢だ。
教室くらいの広さ、でも天井は無く、巨人のようになって立つことができる。でも、手足の動かし方が解らなくて、どうしようもない浮遊感に襲われてしまうのだ。
他に誰がやってくるわけでも無く、ただ一人、立つことしか出来ない。
いわば、体調を崩した時の感覚、なのだろうか。しかしながら、風邪とか発熱とかに関係なく、かの夢はやってきている。
夢占いで占えるのなら、この巨人の意味を、明かしてみたいものだ。




