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第2話 潜入!アイの母国

【ガタンガタン・・・】




 気付けば私は馬車に揺られていた。


 さっきまで魔王の城で戦っていたはずなのに・・・。




「とりあえず僕の部下と一緒に、君の国に戻ってくれるかい?

その部下の能力を使って、国の真実を暴こうと思う」





 それが魔王が私に出した”指令”だった。


 何を考えているのかはわからないが、アイツが魔王なのは事実。


 きっと私の目の前で、私の故郷を再び破壊する気なのよ。



 隣で座ってるこの魔物も、きっと国を滅ぼせるほどの力を持った強力な魔物なんでしょうね・・・。





「おい、そこの馬車。止まれ!」





 あ、私の国門番の人だわ。


 そりゃ正体不明の馬車が国に入ろうとしたら、止めるわよね。


 どうする?助けてと叫ぶか?

 でも門番が魔物に勝てるかどうか・・・





「あぁ門番さん、お疲れ様です。

ちょっと俺の目を見てくれるかい?」





 あれ、隣の魔物が窓から顔を出して、門番と話し始めた??


 まさか、もう戦闘を始める気!!??





「待って!!この先には沢山の人が住んで」


「ドウ・・・ゾ・・・オ通リ・・・クダサイ」


「え?」





 門番が”お通りください”って言った?


 あの屈強で、国外の人間には厳しい態度しか取らない事で有名な、あの門番が!?





「どうも、遠慮なく通らせてもらうよ」


「ちょ、ちょっとアンタ!

門番に何をしたのよ!!?

あんな簡単に通してくれるなんて、ありえないわよ!?」


「何をしたって言われても・・・・

彼の精神をちょっとだけ操って、混乱させただけだよ」






 あ、あ、操ったって言った!?

 なんて恐ろしい能力!!


 そうか・・・!

 この能力を使って国の兵隊を操ったのね!!??


 私はとんでもない魔物と一緒に馬車に乗ってたんだわ!!





「もう終わりだわ。私も、この国も・・・。ん?」






 ・・・あれ?



 待ってなんか臭い。臭いぞ。



 この臭いは、そうね・・・まるで犬小屋のような・・・



 いやもう完全にウ○コの臭いだわコレ。





「久しぶりにこの能力を使ったけど、やっぱり身体の負担が大きいね」


「あの・・・身体の負担って?」


「ハハハ。お恥ずかしながら、この能力を使うと脱糞してしまうんだ。

強大な力には、それだけの代償が必要って事だね。

力を手にしてしまったからには、僕も責任を持って行動しなきゃね」





 いやなんでカッコつけてんのコイツ。マジで信じられん。


 う○こ漏らしただけなのに、なんでそんな涼しい顔して語ってるの?


 責任持つ前に常識持ってよ。子供の横でウ○コ漏らしてんだぞアンタ。




 てかまず、力の代償とか強キャラにしか許されないセリフだって。


 ウ○コ漏らした時に使えるセリフじゃないってマジで。





「でも安心して!ちゃんとオムツは履いてるからさ。

替えのオムツも持ってきてるし、人間操り放題だよ!」


「いや、そういう問題じゃ・・・」





 あれ、ちょっと待って。


 冷静になって気付いた。



 今、私の真横にウ○コあるんじゃん。






「ギ・・・ギャアアアアアア!?!?!?」


「うわぁ!?どうしたの突然叫び出して!

僕の能力、そんなに怖かったかい?」






 パパ、ママ。何度もごめんなさい。


 詳細は省きますが、私は今日で沢山の大切なモノを失った気がしました。







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