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8/23

研修二日目

二日目は、フォークラリーとカレー作り、夜にはキャンプファイヤーなど色んなイベントがある。


「おはよう浩介!」

「おはよう、浜田」


「お、今日はやけに機嫌がいいなぁ!」


当たり前だろ!今日はイベントが目白押し!


山岸と距離を縮めるいいチャンスだ!


こんな日に、テンションが上がらないわけない!



俺と浜田は朝食を食べる。


朝食はバイキング形式。

食べれる分だけとって食べる。

朝食は基本、洋食派の俺は、パンとかを取って食べた。


宿泊所のご飯は、普通に美味しい。

特に、このコーンスープは格別に美味しい。

またお替りしに行こう。



「おい!見ろよ浩介!あそこ。ほら山岸さんがいるぞ」


そう言われ、見られると瀬奈さんと山岸がいる。

どうやら、座れそうな席を探しているようだ。


「誘って来いよ、浩介」


丁度俺達の席に空席がある。

それも二つも。

なんて言う幸運!


「山岸!」

「こう君!」

「お、どうしたの?初瀬君」

「良かったら、一緒にどうだ?丁度、席が空いているんだが」


「えっ!?マジ!」

「うん」

「じゃあ、お邪魔してもいいかな?」


と言う事で、俺は山岸達を朝食に誘う事が出来た。

あぁ、なんて良い光景なのだ……

俺の目の前に、山岸がいるではないか


山岸がこっちを見た。


「どうしたのこう君」

「あっ、ごめん。なんでもない」


あぁ!なんて幸せなんだ!


そんな他所に俺達を浜田と瀬奈さんが見る。


「二人とも、なんだか、幸せそうだね」

「あぁ、本当だな。なんならその幸せを俺にも分けて欲しいよ」

「ちょっと何それ、私じゃあ不満!?」

「いえいえ、不満ではありません」


と言う感じで向こうも楽しんでいた。

こうして、幸せな朝食は終わった。


次はフォークラリーだ。

事前に決められた班で、この宿泊所のちかくを回る。

俺の班は、浜田、瀬奈さん、山岸と回ることになった。


「良し!準備完了!みんな準備はいいか!」

「てっ、なんであんたが仕切っているのよ」

「なんだよ悪いか!?」

「ふ、二人とも喧嘩はやめようよ……」

「じゃあ、鶫が仕切ってくれるの!?」

「いや、それはちょっと……」

「おい!山岸さんが可哀そうだろ!」


なんで、こいつらと一緒なんだ!


まだ出発もしてないと言うのに誰を指揮をとるかで、喧嘩を始めるなんて。


お前らは小学生か!?


「おい、浩介。お前は誰がいいと思う?」


それは瀬奈さんだろ!

間違えなく、浜田よりも、瀬奈さんの方が頼りになるし!


と言う俺の意見で、瀬奈さんが指揮役として出発をした。


だが、道に迷い、挙句のあてに浜田と瀬奈さんはまた喧嘩。


最終的にゴールは出来てものの、学年最下位だった。


そして、その後はカレー作りだ。


「さて始めるわよ!」

「お!やってやるぜ!」

「あのー二人とも、もう終わっちゃたよ」


と申し訳なさそうに俺達とカレー作りをするはずだった女子生徒がわざわざ教えてくれた。


「カレー作りは出来なかったが、うめぇぜこのカレー」


泣くほど、美味いのか浜田。

確かに味はうまい。

けれど、普通のカレーだ。

泣くほどでもないが


「そう意味で泣いているわけではないぜ。浩介。これはどっかの誰かさんのせいで、カレー作りを出来なかった悔し涙だぜ」


「それって私のせいとか言うのかしら」

「他に誰がいると思っているんだ」


二人はまた喧嘩をもうやめてくれ。

ちなみに山岸とは違う班になってしまったため、山岸はいない。


山岸の方を見ると、同じ班の生徒と楽しそうにカレーを食べていた。


俺も向こうに混ざりたいなぁ……


「ねぇ、初瀬君。どっちが悪いと思う?」

「勿論、こいつだろ?」

「いやいや、この馬鹿でしょ?」


もう、この二人のことはどうでもいい。

あぁ、俺も山岸の方へ行きたいな……


その後、午後は、クラス対抗!なんとなんかとか、くだらない時間を過ごし、夕食。

そして、圧倒間に外も暗くなった。


午後7時


あたりは真っ暗だ。

しかし、俺の周りはとても賑やかい。


「もう少しで始まるな。浩介」

「あぁ、そうだな……」


始まると言ってもたかが、キャンプファイヤー。ただ踊って、一人一つのマシュマロを食べるだけのキャンプファイヤーだ。


「なぁ、マイフレンド。もし、山岸さんから、マシュマロを貰えたらどうする?」


またあの噂か。最後に食べるマシュマロを異性から貰えるとその二人は結ばれるとか言うくだらない噂。


全く信憑性もないし、噂なんて高が知れている。


でも、もしも山岸からマシュマロを貰えたら……

そう言う事だよな……


「おい、大丈夫か?」

「あぁ、大丈夫だ」


その後、キャンプファイヤーが始まった。

何曲かみんなで踊った。


そして、ついにその時が来た。


「マシュマロ、貰えるといいな」


浜田はそう言い残し、どこかへ行ってしまった。

俺はぼっちになった。

みんなマシュマロを食べたり、中には、マシュマロをあげている異性もいる。


浜田みたいにあの噂を信じている人がいると言うことだ。



「こう君、今一人?」

「あぁ、一人だよ」

「なら横いいかな」

「うん」


山岸が横に座った。


山岸が横に座った?


山岸が横に座っている……


山岸が横にいる!


これは何かイベントが起きるチャンスなのか!?


そう言う期待を胸に、俺は山岸に話しかける。


「なんか、みんな賑やかいな」

「うん、そうだね」

「山岸は、向こうに行かなくてもいいの?」


「私は、ちょっと騒がしい所は苦手だから……」


「それに」と言った山岸は、俺の肩に頭を預けた。


や、山岸さん……

なんなんだ。この甘えたような山岸。


「こうやって、こう君と二人っきりになれて嬉しいなぁ……」


なんなんだこの状況!


だけど、甘える山岸、まじで可愛い!!!!!


「ねぇ、こう君。昔、私に言ってくれたこと覚えている?」


昔の事?えっ?俺山岸に何か言ったのかな?


俺は黙りこむ。


そして、考えるが、思い出せない。


一体、俺は山岸に何を言ったのだろうか?


「山岸?」


山岸に声を掛けても返事がない。


それどころか、すぅすぅと寝息が聞こえるのだけど……もしかして、寝てしまったとかじゃあないよな……


と俺は山岸を横目で見ると、山岸は気持ちよさそうに寝ていた。


どうしようこの状態!


山岸を起こすべきなのだろうか?!


いや、気持ちよさそうに寝ている山岸を起こすのは流石に悪いか!


でも、このまま寝られても俺の肩が!


俺はそっと山岸をどかし、俺の膝の元に寝かすことにした。


山岸はとても気持ちよさそうだ。

そんな山岸を見ていた俺はふと思った。


今の山岸は無抵抗だ。


俺は禁忌を犯した。


多分、他の生徒に見たら、俺は明日からの生活は地獄と化さだろう。


あいつ、同じクラスメイトに手を出した奴だぜ……


みたいなことが起きるだろう。


手が震えている俺は、山岸の髪を触った。


綺麗な髪質だ。そして、綺麗な茶色混じりの黒髪だ。


山岸はまだ気持ち良さそうな寝ている。

そして、今俺たちの周囲には人がいない。

みんなキャンプファイヤーの方にいるのだろう。


俺は、山岸の肌を触る。

とても、すべすべしている。頬っぺたを触るとぷにぷにしていて、何度も触りたくなるほど、癖になる柔らかさだ。


山岸はまだ寝ている。

今、山岸の唇を奪えるチャンスだよな……

山岸は寝ている。周囲には誰も居ない。


俺が今、山岸にキスをしても、キスをした事実を知るのは俺だけだ。


だから、今キスしても……


俺は山岸の唇に顔を近づける。


俺は今、とてもいけないことをしている。

だけど、体が言う事をきいてくれない。


すると、山岸が目覚ました。

俺と山岸は近距離で目が合ってしまった。


どうしよう絶対、山岸に嫌われた!


「こう君……」


最初は驚いた表情を見せた山岸だったが、山岸は目を瞑った。


「こう君が本気ならいいよ」


て言う事は、これってキスをしていいと言うことなんだよな……


そうこう考えていると、山岸が目を開ける。

そして、うっすら微笑むと、こう言った。


「早くしないと誰かが来ちゃうよ」


再び山岸は目を瞑った。

山岸は俺にキスされると言う事を望んでいる。

俺は意を決した。

山岸の唇がまじかに……


「おーい、二人とももう、キャンプファイヤー終わるぞ!」


男子生徒の声に、俺達は我に返る。

俺は今、山岸に何をしようと……


「ご、ごめん!こう君!私今、変だったよね!?」


寝ていた山岸は起き上がり、まるで、俺から逃げるように瀬奈さんの方へ行ってしまった。


そして、その後、山岸とはあの時の出来事が気まずすぎて、宿泊研修の間は何も喋れることがなかった。


こうして、宿泊研修は終わり、普段の学校生活が始まるのであった。


なんという災厄な結果。


山岸と距離を縮める事は、出来そうで、出来なかった……


果たして、山岸と距離を縮めるチャンスは来るのだろうか?











読んでくれてありがとうございます!

次回も宜しくお願いします!

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