5 ある日の休日
ある日の休日。
午後
「あっ、先輩。そこ気持ちいです」
「そうですか、ならこの辺はどうでしょうか?」
「あぁーいいです」
俺は東雲先輩のお膝の元で耳掃除をして貰っている。
最初は、恥ずかしくて、遠慮したが、東雲先輩に「良いじゃないですか」と押し切られ仕方がなくやって貰ったが、なんなんだこのいごごちの良さ
「どうですか初瀬君?」
「最高です!」
あぁ……この時間が過ぎて欲しくない
なんなら、一生続いてほしい……
と思った俺だったが、そんな時間は無残にも、あっという間に過ぎてしまった。
――夜――
俺達は、夕飯を食べる。
今日の夕飯はカレーと野菜サラダだ。
すべて、東雲先輩の手作りだ。
「そう言えば、もう少しで宿泊研修があるらしいですね」
「えぇ、そうですね」
宿泊研修。
それはゴールデンウイーク前に行られる行事らしく、主に俺達1年の交流を深めるための行事らしい。
2泊3日の合宿で、のどかな自然の元、フォークラリーやカレー作り、そして夜にはキャンプファイヤーなど、沢山のイベントがあるそうだ。
これは、山岸と仲を深められるチャンスかも……
「どこか、楽しみですね?」
先輩は不機嫌そうに顔を膨らませ睨みつけてきた。
俺は、先輩を怒らせるような事をしたのだろうか?
「せ、先輩、どうして怒ってます?」
「いいえ、怒ってません!けれど、もっと寂しがってください!」
ぷい!と顔を反らした東雲先輩。
怒ってないとか言いながら、やっぱり怒っているじゃありませんか!?
そんな先輩に俺は、謝ったり、「俺も先輩と会えないのは寂しいです」的な事を言って機嫌を直そうとした。
だが、東雲先輩は「怒ってません!」と一点張り。
そして気づけば寝る時間に
東雲先輩は機嫌が相変わらず良くない。
このまま、東雲先輩と別れるのは、後味が悪い。
こうなったら一か八か
「先輩!いい加減に機嫌を直してください!俺、先輩の機嫌を直せるなら何でもしますから!」
「なら……私のお願い聞いてもらいます……」
お願い?まぁ、それで、東雲先輩の機嫌が直るなら
えっと・・・・・・これは一体どういう事だ!
「もう少ししたら、初瀬君に会えなくなるのですよ。だから今日くらいはこうさせてください・・・・」
東雲先輩が俺の布団に入ってきたのですけど!
先輩は俺をぬいぐるみのように抱きしめた。
俺の視界は真っ暗になり、東雲先輩のお風呂上がりのいい匂いが、
それに東雲先輩柔らかいものに押し付けられている感じだけど・・・・・・
まさか・・・・・・そのまさかね・・・・・・
東雲先輩?
あれ?東雲先輩!
せんぱいーーーーー!!!!
どうやら、東雲先輩は寝てしまった。
俺は、自力で先輩から抜け出した。
そして、その後俺は、先輩の隣で寝た。
正直、先輩と違う場所で寝ようと考えたが、明日、先輩が俺より先に起きて、俺がいないことに気づいたら、また機嫌を損ねてしまうからだ。
東雲先輩はすぅすぅと気持ちよさそうに寝ている。
その横で俺は、ぱっちり目が冴えている。
どうしよう寝れない・・・・・・
こうして、俺はほぼ寝る事無く、次の日を迎えるのであった。
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