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3 一日目


俺と東雲さんは、正式にお付き合いをすることとなった次の日。


俺はいつも通り学校へ向かった。


高校生活が始まってまだ日が浅いと言うのに、まさか、あの東雲さんとお付き合いをするとは……


これが夢ではとか思う。


まさか、在学中で関わることなどないと思った先輩と、関係性を持つなんて、正直現実的な話には思えない。


それも、ただの友達とか、生徒会の仲間とかでもなく、恋人として!


はぁ……


「そんな深いため息ついてどうしたんだよ!幸せが逃げちゃうぞ!」


と背中を叩かれ、振り返るとそこには、親友である浜田(はまだ) (ゆう)がいた。

浜田はなんだか、いつよりも増して、上機嫌だ。

なんだか、浜田の幸せそうな表情を見ていると腹が立つ。


「なぁなぁ、浩介~機嫌悪そうだけどどうしたの~良ければ俺が相談に乗るぜ!」


「別に何にもない」


どうせ、相談するだけ無駄だろう。

そもそも、相談したら色んな人に言いふらすだろう。


「それよりも、お前は機嫌が良いけど、なんかあったのか?」


「お、わかるか、実はなぁ……今朝、東雲先輩に話しかけられたんだよ!君!シャツが出ているしっかり直しなさい!てね!」


それは話されたというよりも注意を受けただろう。


とついツッコミを入れたいところだが、本人は話されたことが、よほど嬉しそうだったのでやめた。

全く、浜田はおめでたい人だ。


「おはー二人とも」


そこへ現れたポニーテールの美少女。


名前は、瀬奈 愛梨(せな あいり)さん。


活発で明るい生徒、それに、沢山の男子生徒から告白を受けるほど、可愛い。

俺は今、瀬奈さんとお隣さんだが、瀬奈さんと隣になったときは、男子からの視線が酷かったのを覚えている。


「なんだ、お前か」

「な!なんだお前かはないしょ!」


ちなみに瀬奈さんと浜田は幼稚園からの幼馴染らしい。

だけど、浜田と瀬奈さんは仲が悪い。


「ほら!鶫もいつまでも私の後ろにいないで挨拶したら」


と瀬奈さんの前に連れてこられ、恥ずかしそうに俺の前に立つ黒色と茶色が混ざったショットヘアの少女。


名前は、山岸 鶫(やまぎし つぐみ)


山岸と俺は幼稚園からの幼馴染。


まさか、高校になっても同じになるとは思ってもいなかった。


「おはよう、こう君」

「お、おう、おはよう山岸」


やべー今日も山岸は可愛い!

俺は山岸に恋をしている。


山岸は、昔から男子から人気があるほど、可愛い。それに、頭もいいし、優しいし、お菓子を作れるほど、女子力もあるし、他にも色々山岸にはいいところがある。


「おはようござますー山岸さん。今日もお綺麗ですねー」


「あ、ありがとう」


おい浜田!それは俺が言いたい言葉だ!


俺もお前みたいに「鶫、今日も可愛いぞ」て言ってみてよー!


そして、こんな恥ずかしいそうな姿を俺にも見せて欲しい!


「な、なんだよ。そんなに俺を睨まないでくれよ」


「睨んではない!」

「いや、睨んでいるから」


いいや、ただ羨ましいだけだ!


「ねぇ、ねぇ、初瀬君〜。せっかくだから、鶫に言ってみたら?こいつと同じように、今日も綺麗ですね的な事」


はぁ!?冗談じゃない!

す、好きな子に可愛いよなんて、ストレートで言えない。


それに、これでもし、山岸に嫌われたらどうしてくれんだ!


「たまには、こいつ以外の人にも言われてみたいよね〜つ•ぐ•み」

「いや、私は……」

「はい!鶫ちゃんは言われたいらしいですよ」


と言う感じで、俺は山岸に「綺麗ですよ」的な事を言うことになった。


俺は今、この場から逃げたい!

あの山岸に、「綺麗だよ」なんて言えない!

だけど、ここで「綺麗だよ」と言えれば、何か変わるかも知れない。

俺は、勇気を出して言ってみることにした。


「や、山岸」

「は、はい!」

「き、綺麗だよ……」


良し!言えた!

ありがとう瀬奈さん!

最初は逃げたかったですが、貴方のおかげで言いたかった事を言えました!


てっ、山岸?……


山岸はどこかへ行ってしまった。


もしかして、俺って嫌われたのか……


教室から出て行く、山岸とそれを追いかける瀬奈さん


「放課後何か奢るから強く生きろよ……」


嫌われた山岸に嫌われた・・・・・・

山岸に嫌われた・・・・・・


山岸に……あははは……


「お、おい、大丈夫か!」


その後の事はほとんど、覚えたない。


一体、何の授業を受けたのか、今日のお昼は何を食べたのか


放課後何をしたのか何も覚えてない。


ただ、山岸に嫌われた……

それだけは、覚えている。



読んでくれてありがとうございます!

次回もよろしくお願いします!

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