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山岸が生徒会に所属して次の日の生徒会活動。
俺は今、やる気に満ち溢れている。
「おはようございます」
「おはようございます!」
「おはようございます」
今日も門の前で、挨拶活動が行われている。
昨日までは、「はぁ……今日もだるいなぁ……」と思いながらもやっていたが、今日の活動は、やる気に満ち溢れている。
なぜなら、この華やかさだ。
犬飼さん、山岸、東雲先輩の美少女3人が、笑顔で出迎えてくれるのだ。
迎えられた側の男子生徒はもちろんだが、女子生徒からもちらほらといい、評判が聞こえる。
俺も生徒役として、3人に出迎えて貰いたいが、あいにく俺も生徒会に所属しているため、挨拶をしなければならない立ち回り。
だが、この空間にいられるだけで、幸せだ。
「おはようございます……」
今月は挨拶月間とか言う理由で、ほぼ毎日、門の前で挨拶をしなければならない。
そのため、毎日朝早く起きて学校に行かなくてはならないため、すごく眠い……
でも、この空間は、居心地がいい。
むしろ、眠気を後押ししてくれているほどに居心地が良い。
「声が小さいですよ……」
と背後霊のように後ろから声をかけた犬飼さん。
眠いと言う言葉は前言撤回!
俺はびっくりし、目を覚ました。
「初瀬君、こちらへ」
その後、まだ活動中だというのに、俺は犬飼さんに長々と注意を受ける羽目に。
「いいですか!生徒会に所属している以上!」
説教を受けている間、色んな生徒に笑われる始末。
そして、東雲先輩と山岸にも笑われてしまった。
朝から、大恥だ。
――活動終わり――
活動も終わり、俺達は、一度、東雲先輩の所に集まった。
今日は、金曜日と言う事もあり、ちょっとした反省会をするそうだ。
東雲先輩は、色んな人の良いところや反省点を言っていく。活動をしながら、他の生徒を見ているとなんてさすが、東雲先輩だ。
そうこうしているうちに次は俺達へ
一体何を言われるのだろうか……
初瀬の想像
「山岸さんは、まだ所属したばかりですが、素晴らしい!それに比べて……初瀬君!あなたはやる気がなさすぎる事が多いです!大体、生徒会に所属しながら、なんですか!ガミガミガミガミガミガミガミガミ」
なんて事は無いよな……
そう思いながらも、俺は東雲先輩の話を聞いた。
「二人は、まだ慣れないかも知れませんが、月曜日からも元気よく行きましょうね。山岸さんは、少し、声が小さい時が見受けられます。そして、初瀬君は、集合時間ギリギリのことが見受けられますので、そこだは注意してください」
「はい!毎日一時間前にはしっかり起きて、頑張ります!」
「貴方は、初瀬君じゃないでしょ?」
「いいえ、今から、初瀬です!」
東雲先輩は、呆れ、深いため息をついた。
「犬飼さん。貴方はとても元気がある所は、とても関心しますが、もうちょっと、落ち着きを持ちましょう」
「仰せのままに!」
こうして、挨拶活動は終わった。
もう、かれこれ挨拶活動が始めり1週間が経ったらしいが、まだ慣れない。
授業中は眠気が襲ってくる。
「おい、浩介。お前、死にそうだが、大丈夫かよ?」
「まぁ、大丈夫だよ……」
「こう君、朝から頑張っているもんね」
「山岸さん!今日も、お美しい!」
「うわ、きも」
「あぁ!なんか言ったかこの脳筋女!」
「脳筋じゃなねーし!この女たらし!」
二人は言い争う中、俺は山岸と話す。
「山岸は眠くないのか?」
「私は、眠くないよ」
山岸も俺と同じく朝早くから起きていると思うが、眠くないなんて、すごいことだ。
俺も山岸を見習いたいもんだ。
「山岸は、眠くならないために何かしているのか?」
「ううん、何もないよ」
「鶫、嘘は駄目だよ。本当は……」
「あっ、何でもないから!」
と瀬奈さんの口を押える山岸。
一体、瀬奈さんは何を言うつもりだったのだろうか?
少し、疑問だが、それはまた今度にして、今はこの問題を解決しなければ
「瀬奈さんは、朝から部活がありますよね?」
「うん、そうだけど」
瀬奈さんのバレー部は朝から、走り込みなどをしている所を見かける。
「その、瀬名さんは授業中とか、眠くならないのですか?」
「いいや、普通にあるよ!て言うか、ほぼ毎日あるよ!」
毎日あると言うが、瀬奈さんが授業中に寝ているところや、眠そうな姿を見たことがない。
なら、その原動力はなんだ。
「どうしたら、そんなに元気にいられるのですか?」
「気合いかな!」
「流石、馬鹿はやる事が違うなぁ!!」
「はぁ?!馬鹿はあんたでしょ!この女たらしが!」
「はぁ?!女たらしじゃねーし!」
「嘘!あんたいつも、女の子に鼻を伸ばしているじゃん!それに、さっき、いやらしい顔で、鶫を褒めていたし!」
「あ、あれは一種のコミニュケーションだ!」
と互いににらみ合う二人をなだめる山岸。
「なんか、楽しそうな話をしてそうですが、一体なんの話をしていましたか?」
そこへ、犬飼さんがやってきた。
折角だ。同じ生徒会の仲間として、犬飼さんにも聞いてみよう。
「今、どうしたら朝からシャキッとしていられるか話していたのです。ちなみなんですけど、犬飼さんは、どうして朝からシャキッとしているのですか?」
「そうですね。私は、朝早くから起きてトレーニングをしています」
「えっ!朝からトレーニングをやっているんですか?」
「当然です!し……じゃなかった。この美貌を保つためには当然のことですよ!」
美貌に対する議論はともかく、流石、東雲家専属メイド。
何に関しても、欠点がない。どうせなら、「私も朝が苦手で困っているんですよ〜」的な事を言って欲しかったと個人的には思った。
「そうだ!明日は休みですので、どうです?私とトレーニングをしてみませんか?勿論、このメンバーで!」
「へー面白そう〜明日、部活午後からだから、私は参加したいな!」
「わ、私は、日頃の運動不足を解消するために参加しようかな……」
「ふむ、それは体重が増えたと言う事じゃな!」
「ち、違うから!」
「浜田君はどうしますか?」
「勿論、参加されてもらうぜ!」
なら、俺は参加しなくても大丈夫だよな……
折角の休日になぜ早起きをして、運動なんてしなければならないのだ。
休日だからこそゆっくりすべきだ。
それに9月だと言え、まだ外は暑い。
こんな中、運動したら、間違えなく俺は死ぬだろう
「では、皆さん参加という事で良いですね?」
うん?……ちょっと待った。今、皆さん参加て言ったよな……普通は「初瀬君以外は参加という事で」とかだと思うが……
「あの、犬飼さん。もしかして、俺もトレーニング参加しなければならないのですか?……」
「えぇ、初瀬君は強制参加なので、拒否権はありませんよ」
えっ、なにそれ……俺の人権は!
「頑張ろうなぁ!浩介!」
張り切る、浜田に背中をたたかれ、呆然とする俺。
こうして、俺は、朝のトレーニングに参加することになるのであった。
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