17 新しい恋
俺が告白をすると、数秒の沈黙が流れた。
東雲先輩は、今、何回も瞬きをしている。
見つめあう俺達。
なんか、恥ずかしい……
なんて、思っていると、東雲先輩は俺の手を握った。
そして、満面な笑みでこうった。
「喜んで!お付き合いさせてもらいます!」
こうして、俺と東雲さんは正式にお付き合いすることになった。
今までは、親父の旅館の経営を続けさせるため、東雲先輩の彼氏を演じていたが、今日からは本当の関係だ。
だから、山岸との恋はこれで終わりだ。
さようなら俺の初恋相手 山岸 鶫
これから俺は、東雲先輩一筋である。
「では改めて、よろしくお願いします。浩介君」
「こちらこそ、宜しくお願いしますえっと……」
「宇鷹で、いいですよ」
「じぁ……宇鷹さん」
今まで苗字で、呼び合っていた分、いきなり下の名前で呼ぶと少し、恥ずかしい……
こうして、改めて正式にお付き合いをすることになった俺達。
だが、恋人と言うのは何をすれば良いのだろうか?
俺は、東雲先輩をどうリードしていけばいいのだろうか?
「あの、宇鷹さんは、今までお付き合いしていた人とかいませんか?」
すると、東雲先輩はクスッと笑った。
まぁ、答えは見えていた。
こんな美女が俺以外の異性と付きあったことがないなんて……
「もちろん、ありませんよ」
「えっ!嘘ですよね!?」
だって、あの東雲先輩ですよ!
みんなの憧れ、東雲先輩ですよ!
「実際、告白はたくさんされました。ですが、すべて丁重にお断りしました。それも、初瀬君のためです」
まさか、こんな美女にここまで惚れられていたとは……
恐るべし、過去の自分。
「初瀬君……」
「はい?……」
「し、東雲先輩!」
「これから、たくさんの忘れない思い出を作っていきましょうね!」
こうして、俺達は、正式にお付き合いすることになった。
だが、東雲先輩と正式に付き合ったからと言って、特に日常が生活が変わることがない。
学校生活は至って普通だ。
「おはよう、浩介!」
「おはよう初瀬君!」
「おはよ……こう君」
いつも通り、俺の友達がいて
いつも通り、勉学に励んで
いつも通り、帰るだけ。
そして、東雲先輩とは、以前と変わらず、基本学校内で直接的に関わる事はない。
今日が終わり、帰宅するため、俺は靴箱へ
そして、靴を出そうとすると、一つの白い手紙が入っていた。
裏を見ると、東雲先輩からだ。
俺は封を開けた。
「浩介君、放課後、生徒会室に来てください」
その手紙を受け取った俺は、生徒会室に向かった。
「お待ちしていました浩介君」
そこには、東雲先輩と犬飼さんがいた。
東雲先輩は俺を近くの席に案内すると、東雲先輩も席に俺の前の席についた。
「お茶です」
「東雲様!お茶です!お熱いので、気を付けてください!なんなら私がふぅふぅしてあげますよ!」
「いいえ、結構なので、例のあれを持ってきてください」
「本当に、この人にやらせるのですか?えっと……」
「初瀬です」
「あっ、そのようなお名前でしたね」
犬飼さんは、東雲先輩から言われた、例のものを持ってきた。
そして、俺が座っている机に置いた。
「初瀬君、良かったら生徒会に入りませんか?」
読んでくれてありがとうございます!
次回も宜しくお願いします!