12 刺客
6月に入った。
雨の日も多いし、じめじめしている。
そして、今日も雨だ。
しかも、最初は普通の雨だったが、雨もひどくなり、雷もなっている。
まるで、これから何か起きるかのような予兆やしているようだ。
――ホームルーム――
雨は勢いを増している。
もし、この雨が登校前に降っていれば、自宅待機になるくらいの雨だ。
雷が近くで落ちた。
クラスが少しざわざわする。
そんな中、担任の先生は生徒に落ち着くよう促す。
そして、生徒が落ち着いたところで、こう言った。
「えっ、今日からこのクラスに新しい生徒がくる。みんな宜しく頼むぞ」
こんな時期に転校生とは一体、どんな生徒だろう。
先生は廊下にいる生徒を呼び出した。
そして、その生徒は俺達のクラスへ
入ってきた生徒
その瞬間、クラスがざわざわとする。
それもそのはずだ。
この転校生、なかなかの美少女だ。
モデル体型みたいに、すらっとしていて、周りを魅了する容姿をし、綺麗な金髪のツインテール。まるで、2次元から飛び出したような生徒だ。
金髪美少女は黒板に名前を書く。
「私の名前は犬飼 百葉と申します。これからよろしくお願いします」
そう自己紹介をすると、雷はまた落ちた。
なんだか、すごい、偶然だが……
ホームルームが終わると、雨はやみ、曇り空になった。
なんだか、変な天気だ。
ホームルームが終わったところで、犬飼さんの周りにはいろんな生徒が集まっている。
まぁ、転校生の特権みたいなものだな。
最初だけのイベントだ。
なんだか、みんな楽しそうに話しているが、俺は特に興味はない。
俺は1限目の授業の授業を、一人淡々と準備した。
「あの、すみません」
この声もしかして
俺は声をした方を振り返る。
「あなたが、初瀬君ですよね」
「はい、そうですが」
犬飼さんが来たせいで、クラスメイトは俺達に注目する。
なんだか、物凄く恥ずかしい思いをしているんですけど!
そんな俺を知るよしもない、犬飼さんはにっこり笑った。
「放課後、屋上で話があるのですが、お時間ありますか?」
「まぁ、大丈夫ですけど」
えっ?なに?なんなの!?
「では、のちほど」
と言い残し、犬飼さんは俺の前から立ち去った。
一体、犬飼さんと放課後
「聞いていたぞ浩介……あれは一体、どういうことだ」
浜田に詰め寄られるが、こっちが聞きたい。
どうして、俺が放課後呼ばれなければならない!
「もしかして、こくられちゃったりして」
といつの間には俺の近くにいた瀬奈さんがくすくすと笑う。
瀬奈さんは冗談半分で言っているつもりだが、一名本気の人もいます。
「おい!お前は俺の友達だよな!だから犬飼さんに告白されても俺の事を思って断るよな!」
そもそもまだ告白されていないし、告白ではないだろう。
何しろ、犬飼さんとは初対面だ。
だから告白なんて可能性は絶対にない。
だから安心しろ浜田!と言いたいが……聞く耳を持たない。
「おーい、つぐみ~大丈夫?私、冗談半分で言ったつもりだけど……」
「う、うん、大丈夫だよ……」
瀬奈の言葉を信じてしまった山岸は力を尽くしたように、ぽつり一人で真っ白になっていた。
そんな山岸の存在に気づかなかった初瀬であった。
――放課後――
犬飼さんに言われた通り、屋上に言った。
今日はずっと曇り雲だったが、今は今にも雨が降りそうな黒い雲が
そして、屋上の外を見る金髪美少女。
美少女は俺に気づき、振り返る。
「お待ちいたしました初瀬君」
一体、犬飼さんはなぜ俺を呼び出したのか……
次回に続く
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