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リンダ・りんだ・LINDA!~ 私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!?アフターストーリー ~  作者: さいとう みさき
第二章フジヤマゲイシャスシテンプラハラキリデース!
13/50

2-2(土)みんなで記念撮影デース

やってきました金髪碧眼の巨乳美少女!

短期留学だけどどうする由紀恵!?

どうなる友也!?

へんてこ外国人が織りなす短期留学物語です。


 しこたま紫乃のほっぺをムニムニした私は会場と言う中庭に来ていた。



 「おー来た来た、こっちこっち!」



 既に着替え終わって中庭に来ていたお兄ちゃんが手を振っている。



 へぇ~、意外とお兄ちゃん似合っている!

 ストイックみたいな感じがして好い感じ!



 「黒龍様お待ちしておりました」


 下僕その一が確か執事のクロっておっさんの役をやっているはずだけどかつらと付け髭が似合ってない。

 どちらかと言うと駆け出し執事ってイメージなんだけど無理して背伸びしているようで薄っぺらな感じがする。



 「みんな~集まって~」



 紫乃が手を振りみんなを呼ぶ。


 「OH-! 凄いデース!! みんな似合ってますデース!!」


 主人公役のリンダは大はしゃぎだ。

 しかしこの中でもあまりにもキャラが似合っていて本当に物語から出て来たかのようだ。


 「流石リンダちゃん~! エルハイミの役よく似合ってるよ~。ねぇねぇ、語尾に『~ですわ』って言ってみて~」


 「いいですわデース!」



 いや、最後のデース付けたら意味無いんじゃない?



 「リンダ、最後の『デース』外さないと駄目じゃ無いの?」

 

 思わずそう言ってしまった私に何故かリンダと紫乃は驚いたような顔をしてこちらを見る。



 「由紀恵ちゃん駄目だよ、外人さんは『デース』がデフォルトだよ~!!」


 「そうデース! 私が外人である証明デース!!」



 いや、無いから。

 そんな外人証明方式無いからっ!!



 とか言いながら密かに中国人だったら「~アルよ」をつけてもらいたいと思ってしまう自分もいた。



 「えへへへっ、ちょっと恥ずかしいですねこの格好」


 「そうかしら? 私はそれほど露出無いからかな? 何となく宝塚の男性役みたいな格好だものね」


 「‥‥‥転生前の黒龍様。胸見えちゃいそう」



 矢島紗江はエルフのシェル役。

 高橋静恵は女将軍のティアナ姫役。

 そして泉かなめは転生前の大人バージョンの黒龍ことコクの役をしていた。


 紫乃は魔術師で主人公の義妹イオマの恰好をしていて私が黒龍のドラゴンニュートメイドのクロエ役、下僕その一が同じくドラゴンニュートの執事クロ役をしている。

 そして主人公エルハイミはリンダがやり、その従者の戦士ショーゴをお兄ちゃんが演じる。


 あの物語のメインキャラたちの大集合になった。



 「いやぁ、満足満足~。まさかみんなでコスプレ出来るとか思わなかったよ~」

 

 「すごいデース! 私感動デース!!」


 紫乃に指導されながらみんなで決めのポーズを取ってみる。

 すると‥‥‥



 「あの、すいません写真良いですか?」


 「すみませーん、こっちもお願いしまーす!!」


 「クロエさん役の人、目線お願いしまーす!」



 いきなりカメラを携えた人たちがやって来た!?



 「う、うわっ、どうしよう紫乃!?」


 「大丈夫だよ~さっき教えた決めポーズとってサービスすれば~」



 紫乃は慣れているのかな?

 にこにこしながら自分のキャラクターの決めポーズをとっていく。



 「わぉっ! 私もするデース! 『私がエルハイミですわ!!』」



 リンダがそう言ってあのキャラクターのキメ台詞とポーズをとると途端に写真を撮っている人たちが集まってフラッシュの嵐になる。



 「すごいわね、リンダちゃん」


 「やっぱり似合ってますもんね、まるで物語から出て来たみたいです!」


 「‥‥‥大人バージョンだと主人公に抱き着けない」


 「やっぱりリンダちゃん誘って正解だねぇ~」


 「すごいな、みんなこっちに集まて来たな」


 「う~、俺も頑張らなきゃ! 泉、由紀恵様、俺たちも決めポーズやろうよ!!」



 みんなもだんだんと乗り気になってきている。


 私も周りがそんな感じだから徐々に慣れてきて皆で撮影会が始まる。

 そして演じるのがだんだんと楽しくなってしまってきた。



 自分とは違うキャラを演じるのってなんとなく面白い。


 

 「クロエさんのキャラの人すみません、こっち目線お願いします!」


 「わかりましたでいやがります」



 おお~っ!



 そのキャラクターのセリフを言うと周りが湧き上がる。

 なんか新たな楽しみが開花してしまいそう。



 「OH-! そう言えば由紀恵スパッツ穿いてないデース」


 「え~? そうなの由紀恵ちゃん~!?」



 なんかリンダが言っているけど注文通りのくるっと回ってハイキックのポーズをすると途端に写真を撮る音がしなくなりみんな無言になった。



 「あ、あれ? ポーズ違った?」



 なんかみんなの反応がおかしいので戸惑ってしまう。

 しかし次の瞬間割れんばかりの歓声が上がる。




 うぅぉおおおおおおおおおおおぉぉぉっ!!




 「すげぇっ! 設定どおりだっ!」


 「マジっ!? ここまで体張るのっ!?」


 「い、生きててよかったぁ‥‥‥」


 「目に焼き付けましたぁっ! ごちそう様です!!」


 「お、お前ら紳士になれよ!? しゃ、写真はNGだぞ!? 分かっているな!!!?」


 「おうっ! しかし心の写真にはしっかりと焼き付けた!!」


 「わが生涯に悔いなしっ!!」



 なんかカメラ構えている人たちが口々にそう言いながら中には私を拝み倒している人までいる。



 そんな中不思議に思っていると紫乃が寄ってくる。


 「あのぉ~、由紀恵ちゃん、スパッツ穿いてないみたいだけど~」


 紫乃がそう言って私の小耳に話しかけてくる。


 「え? スパッツ??」


 「由紀恵の黒い下着丸見えデース。流石JAPAN、設定どおりですごいデース。でも恥ずかしくないデースか?」



 え?

 え??

 

 スパッツって‥‥‥



 私は自分のスカートを見る。

 くるりと回るとひらひらとするようなスカート。

 勿論ふんわりと持ち上がってしまうような短さ‥‥‥



 「あ”っ」



 今更ながら気づいた。

 こんなスカートでハイキックなんてしたらそれはそれは見えまくりだ。



 「あ、あ、ああぁぁぁっ!!!! い、いやぁぁぁああああぁぁぁぁぁっ!!!!」




 私の叫び声が響き更衣室へ逃げ込む私だったのだ。



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