表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/62

第24話 到着4日目・昼その1

挿絵(By みてみん)




 私、ジョシュアとコンジ先生がこの『或雪山山荘』に到着して4日目の朝を迎えました。


 この日の夜が明けたときは、ホッとしました。


 というのも、2日目の朝も3日目の朝も事件の幕開けで目を覚まされたからです。




 何事もなく朝が来た……。


 この時はそう思ったのでした。


 昨日までの反省から、メッシュさんは朝食は朝に用意せず、前日、作り置きして済ませるということにしていましたから、まだ誰も部屋の外に出ていないようです。




 私は腕時計で時間を確認した。


 8時ー。


 相変わらず外は吹雪が舞い、吹き荒れているので、窓から差す陽の光は強くありませんが明るくなっているのはわかります。




 「もう……人狼の活動時間は終わった……はずよね?」


 私はそう思い、部屋の扉をそっと開けた。


 廊下もしんと静まり返っていますが、特に何も変わった様子はありません。



 とにかくコンジ先生の部屋をノックする。



 コンコン、コココン……。




 「開いてるぞ? ジョシュア。君だろ?」


 「あ! 起きてましたか? それに私ってわかるのはさすがですね。」


 「はあ。何度も言わせるのは無駄なんだよなぁ。君のノックの仕方は覚えているって言ったろ?」


 「ノックの仕方も覚えてるのは素直にすごいと思いますよ。」


 「人間はその行動全てに癖がある生き物だからな。」


 「それより、コンジ先生。今日は平和な朝みたいですね?」




 「まあ、そうとはまだ決まっていないけどな。」


 「ヤダ……。怖いこと言わないでくださいよ。大丈夫だって言ってたじゃあないですか?」


 「うむ。それで……。ジョシュア。頼んでいた通り、ずっと夜の間、階段の間の方を見張っていてくれたかい?」


 「はい。もうそれは眠いのを我慢して頑張りましたよ? お肌が荒れたらコンジ先生のせいですからね?」


 「それで、何か変わったことはあったか?」




 そうです。私はコンジ先生に言われて、シープさんから預かったハンドガンを持って自室の部屋の扉から、階段のある間のほうを見張っていたのでした。


 もし危険を感じたら遠慮なく撃て……って言われましたけど。


 本当に怖かったんですよね。でも、まあ、撃てばさすがに銃声が響き、コンジ先生もすぐわかるって言ってましたので、それを信じましたよ。




 「とにかく何か動く気配がしたら撃てって言われましたけど、何一つ動くものはなかったですよ。ただただ、長かったですよ。」


 「なるほど。じゃあ、ジェニー警視とビジューさんのどちらかが万が一殺られていたら……。」


 「殺られていたなら?」


 「その逆の相手が人狼だな。まあ、無事だとは思うけどな。一応、僕は耳が良いし、さすがに隣の部屋で異変があれば気づく。」


 「そうですね。」






 私たちがそんな会話をしていたら、誰かがコンジ先生の部屋の扉をノックする音が聞こえた。



 コンコンコンッ! コンコン!





 「どうぞ? シープさん。」


 コンジ先生が返事をすると、扉を開けたのはやはりシープさんでした。



 「よくわかりましたね。キノノウ様。」


 「まあね。シープさんのノックの音は一度聞いたからね?」


 「さすがでございます。」



 うーん! コンジ先生、すごいです。




 「キノノウ様に依頼されたことですが、私の自室の部屋の扉から、階段のある間のほうを見張っていましたが、何一つ動きはありませんでした。」


 シープさんがそう報告をする。



 ああ。シープさんにも私と同じことを頼んでいたのですね。


 さすが、コンジ先生。




 「シープさん。ありがとう。これで万が一パパデスさんや、シュジイ医師に何かあったら、まあ容疑は絞れるということになるな。ま、そんな危険を人狼が犯すとは思えないけどな。」


 「そうですね。シュジイ医師にはこのことは事前に伝えておりましたからね。それに、パパデス様には睡眠薬を処方致しておりましたから。」


 「そうなのですか!?」


 「ええ。やはりスエノ様のことなどありまして、眠れないと仰っていましたので。」


 「なら、心配なさそうだな。」




 「まあ、とりあえず、みんなの無事を確かめることが先決だな!」


 「そうですね!」


 「さようでございますね。」



 私たち3人は部屋を出て、すぐに隣のジェニー警視の部屋を訪ねた。


 「おはよう。キノノウくん。シープさん、ジョシュアくんも元気そうでなによりだ。」


 「ええ。お変わりありませんでしたか?」


 「うむ。大丈夫だったよ。」




 そして、そのジェニー警視の部屋のすぐ前のビジューさんの部屋の扉をノックする。



 コンコンコンッ! コンコン!



 「はい。だ……だれですか?」


 「あ、ジェニーです。キノノウさんもジョシュアくんもいるよ。」


 「ええ。大丈夫でしたか? ビジューさん。」


 「そっか……。みんないるなら大丈夫か。」




 ビジューさんが部屋の扉の鍵を開けた。


 「とにかく、みなさんの無事をたしかめましょう。」


 「はい。」





 ジェニー警視が2階『左翼の塔』側のイーロウさん、ジニアスさんを確認しに、シープさんがパパデスさん、シュジイ医師を確認し、その後ママハッハさん、アネノさん、ジジョーノさんを確認することになり、私とコンジ先生でメッシュさんの様子を見に行き、その後、アレクサンダー神父、スエノさんを確かめることにしました。


 急いで、階下に下りる私たち。


 血の跡は拭かれているものの、最初に惨劇の血の跡があったキッチン前、そして、カンさんが殺されていた警備室があるこの周辺は、なんとなく薄ら怖い気がしました。


 メッシュさんの部屋の扉を私がノックする。



 コンコン、コココン……。






 「はい。どなた……でしょうか?」


 メッシュさんの返事が聞こえる。



 「ああ。私です。ジョシュアです。それと、コンジ先生です。」


 「メッシュさん、無事かい?」


 「ああ。キノノウ様。あっしは大丈夫です。」


 「そうですか。ならよかった。」



 そう言いながらも、コンジ先生はいつの間にか手に持った消化器を構えたままです。


 警戒を怠らないのですね。




 扉を開け、メッシュさんが出てきた。


 えらく頬が痩けているように見える。


 あまり眠れなかったようですね。無理もない話ですけど。



 「お二方とも、ご無事でいらっしゃいましたか?」


 「ええ。メッシュさんもご無事で良かったです。」


 「では、朝食をご準備いたしますね? ……といっても、作り置きですけどね。」


 「わあ! もちろん、それでいいですよ! そういうお話だったのですから。」




 すると、その時、大きな叫び声が屋敷に響き渡ったのだ。


 それも……。


 2人も同時にー。




 「うわぁあああああああーーーっ!!」


 上の階か!?


 これはシープさんの声のようです!



 そして、もうひとりの叫び声が……。



 「あああ!! イーロウさんっ!?」


 こちらはジェニー警視の声だ。


 そして、おそらくは、『左翼の塔』側の上の階、2階だろう、から聞こえたのだ。




 今、私たちがいるのは『右翼の塔』側1階のメッシュさんの部屋の前です。


 どちらへ先に駆けつけるべきか……。



 それにしても、2人同時に叫ぶ声ということは……。


 犠牲者が少なくとも2人以上出たということでしょうか?



 今日は犠牲者がいない……、そう思っていたのに。


 コンジ先生の策は失敗だったのでしょうか。


 コンジ先生の顔を見ると、なにやら真剣な表情です。





 この時、私の頭の中は、混乱の2文字でいっぱいで、ぐるぐる渦巻いていたのでしたー。





 ~続く~





「続きが気になる!」


「犯人、当ててやる!」


「怖いけど、面白い!」


と思ったら、


下にある ☆☆☆☆☆ から、作品への応援よろしくお願いいたします!


面白かったら☆5つ、つまらなかったら☆1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


ブックマークもいただけると本当に嬉しいです(*´ω`*)b


何卒よろしくお願い致します!!



あっちゅまん







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
★★★★★★★★★★★★
名探偵コンジ先生の第二弾!!
ぜひお読みいただければ嬉しいです。

化け物殺人事件 〜フランケンシュタインの化け物はプロメテウスに火を与えられたのか?〜←ここをクリック

★★★★★★★★★★★★
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ