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絶望の果ての理想郷  作者: 秌雨
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第5話、街に到着、とてもいい雰囲気の街でした

私達は森を抜けて、街に辿り着きました。

街はヨーロッパ風の建物が列んでいます。


「いい雰囲気♪こういう街初めてだなぁ」

「この街は人間と妖怪が共存している街にゃ『プレスター』って言うにゃ」

「私、こういうヨーロピアンな雰囲気大好きなの♪」


ニーナちゃんは首を傾げています。


「よーろぴあん?何にゃ?それ」

「え?知らないの?私達のいた世界の地名だよ」

「現実世界のことはあんまりわかんないにゃ〜、わかるのは絵本で調べた通貨のこととか決まり事ぐらいだにゃ〜」

「日本の通過とか法律とか知ってたから私がいた世界のことも知ってたかと思った、というかニーナちゃんも不遇な生活をしてたからこっちに来たんじゃないの?」

「にゃ〜は元からここにいたんだにゃ〜、つまり、産まれたときからここの住人ってことにゃ」

「ニーナちゃんって、先住民だったのね…」


再び私たちは街の中を歩き始めました。

すれ違う人達を見てみると、普通の人間はもちろんいますが、中にはけものの耳が生えている人や、背中に羽が生えている妖怪と呼ばれる人もたくさんいます。

私のいた世界には当然妖怪はいないので、なんだか新鮮です。

あ……私も妖怪なんだっけ?


私たちはとある店の前に着きました。


「鈴にゃ〜、ちょっとその宝石貸すにゃ」

「いいけど、何するの?」

「内緒にゃ〜、この店で用を済ませてくるから、

鈴にゃ〜はここで待ってるにゃ」

「うん」


そう言ってニーナちゃんは私から宝石を借りて店の中に入って行きました。


(さてと、待ってるのも退屈だし、ちょっと街を見てみようかな♪)


私は街を歩き回ることにしました。

するとリンゴやオレンジなどの果物が並んでいるお店を発見しました。

どれも美味しそうです。


(売ってるのは割と普通なんだ、ゲームとかでよくある変なフルーツなのかと思った)

「よう嬢ちゃん、なんか買ってくのかい?」

「あっ、は、はい!」


急にバンダナを付けたおじさんに話しかけられました。

どうやら店員さんのようです。


「あ、でも、まだお金もってなくて…」

「そうか、なら、なんか売れるもの持ってないかい?」

「お花ならあるんですけど…」


私は来る途中に摘んできた紫の花を取り出しました。


「あぁ、それなら3本で銀貨3枚で買い取れるよ、丁度リンゴ1個の値段だ、どうだい?これで買うかい?」

「はい、買います!」


私はリンゴを店員さんに渡されました。

そして持っているお花も全て換金してくれました。

この世界、ほんとにありえないぐらい物が安い…私のいた世界とは大違いです。


「嬢ちゃん、現実世界の子かい?」

「はい、しかも最近来たばかりで、あまりこの世界に慣れてなくて…」

「そりゃそうだ、俺も最初は戸惑ってたさ」

「ってことはおじさんも現実世界の人ですか?」

「ああそうだ、現実世界で仕事も家族も失っちまってな、それで手紙が届いてこっちに来たってわけだ」

「そうなんですか……すみません、辛いことを聞いちゃったみたいで」

「いや、どうってこたぁねぇよ、今こうやって物を売る仕事ができてんだ、それで十分だよ、あんたもここで好きなことをやるといい、ただし、あまり悪ぃことはするもんじゃねぇぞ」

「はい!ありがとうございます!」


私は果物屋さんのおじさんに別れを告げました。

さて、次はどこへ行こうかな?

っと考えているうちに、後ろからニーナちゃんの声がしました。

振り返るとニーナちゃんがこっちに走ってきます。


「あ!いたにゃ!鈴にゃ〜勝手にウロウロしないで欲しいにゃ!」

「ごめんごめん、この街のお店が気になっちゃって、用事は終わったの?」

「終わったにゃ〜、はいこれ、返すにゃ」


ニーナちゃんは私に宝石を返してくれました。

宝石には輪っかのようなものが付いていました。


「ネックレスになってる、素敵♪」

「お店で作ってもらったんだにゃ〜、気に入ってもらえたかにゃ?」

「うん、ありがとう、早速付けてみよっと」


私は青い宝石のネックレスを付けました。

すると、宝石が青色の鈍い光を放ちました。


「えっ?この宝石、光ってる?」

「やっと反応を示したにゃ〜」

「反応?」

「能力のない者がそれを持っているとその宝石が反応して持ち主に特別な力を与えるんだにゃ」

「特別な力ってどんなの?」

「色々あるにゃ〜、結界を張ったり、傷を癒したり、身体能力が上がったり、戦いの時に凄く便利な力を与えてくれるんだにゃ〜、もっと強力になると地形を変化させることだってできるらしいにゃ〜」

「色々使えるんだね」

「でも、鈴にゃ〜の宝石みたいに反応が鈍いと全く使い物にならないんだにゃ〜」

「えっ!?じゃあ意味無いじゃん!」

「その宝石は持ち主の意志が強くなればなるほど反応も強くなるんだにゃ」

「意思?」

「そうだにゃ〜、戦う意志、人を助ける意志、誰かを守ろうとする意志、それによって宝石の反応が強くなったり弱くなったりするんだにゃ〜」


なんだかよくわからないけど使えるようになるには努力が必要みたいです。


「まぁ、そのうち使えるようになるにゃ、さてと、用事も済んだし帰るにゃ♪」

「うん!あ、でもまた森を通るんでしょ?やだなぁ……」

「そろそろ暗くなってきたから違う道から帰るにゃ〜、夜じゃあなにも見えないから森の中は危険だにゃ〜」

「よかった〜……って、じゃあ行きもそっちの道行った方が盗賊に襲われなかったじゃん!」

「え、えっ〜と……うん、完全に日が暮れないうちにさっさと帰るにゃ」

「もう!ニーナちゃんったら!」


私達はプレスター街を出ました。

帰りはしっかりとした道を通っていたのであまり怖くありませんでした。

もう少しで家に着くというところで、私達はあるものを発見しました。


「ねぇ、ニーナちゃん、あれなにかな?」

「ん?どこにゃ?」

「ほら、あそこの木、何かあるような…」


私は立ち止まり、指を指しました。そこは道の脇に生えている木です。そこに何かあるように見えました。


「行ってみるにゃ」


その木に近づいて見ると、そこには和服を着ていて猫耳が生えている女の子が木に縄で縛り付けられています。

どうやら猫又さんのようです。


「大変!この子縛られてる!」

「急いで縄を解いて助けるにゃ!」


私達は縄を解きました。和服の猫又さんはぐったりとして動きません。


「死んじゃってるのかな?」

「いや、まだ息してるにゃ、とにかく家に連れて帰るにゃ!」

「うん、あれ?これ、なんだろう?」


和服の猫又さんが縛られていた場所の近くに紫の大きい布袋が落ちていました。

何か入っているようですが……。


「この子のかもしれないにゃ、一応持っていくにゃ」

「わかった、早く連れていこう!」


私達は和服の猫又さんを家まで運び込みました。


皆さん、お久しぶりです!

忙しくてかなり間が空いてしまいました。

さて、今回はプレスターの街に到着をしたわけですが、やっぱり異世界って言うとヨーロッパ風の街が出てきますね、ゲームとかでもよく目にすると思います。

あの雰囲気が私は好きなのでヨーロッパ風の街にしてみました。


終盤の方に出てきた和服の猫又さんは次回紹介したいと思います!

では、また次回!


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