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絶望の果ての理想郷  作者: 秌雨
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第1話、不遇な少女

注意:

・この作品は女性キャラクターが多く出てきます!

・最初はかなり暗いお話です!


それでもよい方はじっくりとお楽しみください♪


では、


ようこそ、理想郷へ

理想郷、そこは現実世界で不遇な生活を送った者だけが来れる世界………。

不遇な生活を送っている者には理想郷の創立者から手紙が送られる。

今、理想郷の創立者である私が手紙を送ろうとしている人間、その子も可哀想な人生を送っている………。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



私、猫谷 鈴。普通の女子高校生です!……と、言いたいところだけど。実は凄く苦しい生活をしています。お父さんとお母さんが事故で亡くなってしまいました。学費もアルバイトでなんとか払っている状況です。でも学校には1人の親友がいて、苦しい生活も乗り越えられる様な気がしていました。他のみんなには感じ悪いとか、マイナスなイメージを持たれていますが、こうやって親友と日常を過ごせることに幸せを感じていました。



「鈴ちゃん、おはよう」


机に伏せるようにして寝ていた私に今日も1人のカントリースタイルのツインテールをした女子生徒が話しかけて来ました。


「ん……おはよう…」

「鈴ちゃん眠そうだね、またバイト?」

「うん…昨日は夜中まで頑張ってたから眠くて眠くて…」

「無理しちゃダメだよ、確かに状況的に苦しいのはわかるけど、身体は大事にしなきゃ」

「心配してくれてありがとう」


この子は早乙女 利奈ちゃん、みんなが煙たがる中私を受け入れてくれる大親友です。


「あ、そうだ鈴ちゃん、帰り道に新しいカフェが出来たらしいの、放課後一緒に行かない?」

「行きたいけど、今月はあんまりお金が…」

「大丈夫、コーヒーぐらいは奢ってあげるから」

「ほんと!?利奈ちゃんほんとに天使ぃ〜」

「そんな、天使だなんて大げさだよ、鈴ちゃんいつも頑張ってるからなにかしてあげたいなーって思っただけだよ」


いえ、私にとっては天使のような存在です。やっぱり私の心を癒してくれるのは利奈ちゃんだけでした。



放課後の帰り道、私たちは新しく出来たカフェに向かいました。

大通りの信号待ちで私は気になったことがあったので利奈ちゃんに質問しました。


「ねぇ、利奈ちゃん、どうして利奈ちゃんは私と仲良くしてくれるの?」

「みんなは鈴ちゃんのこと感じ悪いとか言うけど私は違うと思うの、鈴ちゃんがいると私、元気になれるの」

「やっぱり利奈ちゃんだけだよ、そんなこと言ってくれるのは」

「鈴ちゃん、ずっと友達だからね!」

「うん!」


信号が青に変わり、私たちは横断歩道を歩きました。

その時です。いきなり車が私たちに突っ込んで来ました。

私たちは車に衝突し、意識を失いました。


そして、気づいた時には私は病院のベッドで寝ていました。

目を開けると看護婦さんと先生が立っています。


「気づきましたか…」

「私…どうなったんですか?」

「猫谷さんと早乙女さんは交通事故に会ったんです。原因は車側の信号無視だそうです猫谷さんはなんとか一命を取り留めましたが…」

「利奈ちゃんはどうなったんですか?」


しばらく先生は無言のままでした。そしてゆっくりと口を開きました。


「早乙女さんは………お気の毒ですが……」

「そんな!どうして!」

「後頭部を強く打ち付けていたようで、即死でした…」

「嫌!そんなの嫌!なんで……利奈ちゃんが……」


私はその場で大声で泣きました。

そう、私は家族だけでなく唯一の親友さえも失ったのです。


数ヶ月後、私は退院し、学校にも行っていたのですが……。

毎日クラスのみんなからは冷たい目で見られ、「なんで利奈さんは死んじゃったのにこいつだけ生きてるの?」と影口を言われ、ついには「厄病神」というあだ名で呼ばれ、「こいつの近くにいると不幸になる」という噂が学校中に広まり、忌み嫌われ、人はどんどん私から遠ざかって行きました。


そして、私は学校に行かなくなりました。でも家にいても誰も助けてはくれません。慰めてくれるお父さんも、お母さんもいないんですから………。


今、私は部屋にいます。どうしていいもかもわからずずっと部屋の隅で座っているだけ。


(もうやだよ……なんでこんなことにならなきゃいけないの?……みんなと同じ生活をしたいだけなのに……)

(お父さん………お母さん………利奈ちゃん…………)


私はまたしくしくと泣きました。もうこんな世界なんて嫌だ、もう消えてしまいたいと思いました。

すると、ある考えにたどり着きました。


(そうか……私も死んじゃえばいいんだ、そしたらお父さんにもお母さんにも、利奈ちゃんにも会える)


ついに自殺を決意しました。そして私は立ち上がり、自分の胸に刺すための包丁を探しに台所に向かいました。

すると、ダイニングのテーブルに手紙が置いてあるのが見えました。普段食事は自分の部屋で食べるのでダイニングのテーブルには何も置いていないはずなのですが……。


(こんなところに手紙……?私、ここに何も置いた覚えはないのに……)


私は手紙を開け、便箋を取り出しました。そして、手紙を読み始めました。


『あなたがこの手紙を読んでいるという事は、あなたは不遇な生活を送っていますね、さぞかしお辛いことでしょう。』


誰からの手紙だろう……どこにも差出人の名前が書いてない……。

わたしは続きを読みました。


『辛すぎて死にたい、この世界から消えてしまいたいと思っていることでしょう、しかし少しお待ちください。死ぬ前に少しだけ問います。

もし、今あなたが生活を送っている世界とは別に、友達にも恵まれ、あなたのしたい生活ができる世界があるとしたらあなたは行きたいと思いますか?』


この文章を見て私は思いました。

確かにそんな世界だったら行きたい、こんな世界にいたくない、しかしそんな世界あるはずありません。また文章の続きに目を通すと。


『そして、その願いを私が叶えると言ったら、あなたはどうしますか?』


(何この手紙…さっきから言ってることがよく分からないよ、そもそもなんで私の事情を知ってるの?)


『きっと信じられないでしょうね、そんな世界あるわけないと、では、こうしましょう、その手紙の封の中には宝石が入っています。それを目を瞑りながら10秒握ってください、そうすればあなたは今とは違う世界にいます。』


私は封の中を再び見ました。するとその中にはひとつの青い宝石が入っていました。

(綺麗……これを10秒握れば……ううん、そんなことあるわけない)

まだ手紙には続きがあります。


『でも一つだけ注意があります。あなたがその世界に着いたときにはあなたの姿が大きく変わっていることでしょう。しかしそれはあなたの一番充実していた時の姿で、あなたの好きな物が影響しています。では、素敵な生活を』


手紙の内容はこれで全て終わりです。残されたのは青い綺麗な宝石……そんな物語みたいなことあるわけが……でも、ほんとに行けるなら……。

私はしばらく考えました。


(…………でも、こんな世界にいても仕方ないし、もし嘘だったら死んじゃえばいいしね、やってみよう!)


私は1度深呼吸をして、目を瞑り、持っている宝石を祈るように強く握りしめました。そして数を心の中で数えました。

1…2…3…4…5…6…7…8…9…10…………………


(これでいいのかな………?)


私はそっと目を開けました。

すると……目の前には草原が広がっていました。所々に小さい花も咲いています。


「え!?嘘、ほんとに!?」


私は目を疑いました。夢かと思い自分の頬をつねってみます。


「痛っ!」


夢じゃない……私、本当に別世界に来てしまったようです……。



どうも、rurusuと申します。

オリジナルキャラクターの小説を書きたいと思ったので書いてみました!

語彙力が少ないので文章とかめちゃくちゃかも知れませんが楽しんでもらえると何よりです。

投稿は不定期です。

では、また次回!

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