ヤバン王 XⅦ 暗殺者/AssAssIn
――「鋼流野救剣、飽和水球」――
シマパンツ・ブルーマーは堂々と食料配給の列に並んでいた!
だがそれを誰も不自然と感じず見つけることができないでいた
なぜか?それはシマパンツ・ブルーマーの仕掛けた技によるものだ
水玉コラージュと言うものをご存じだろうか?
アイドルの水着グラビアに水着が隠れるように全体にわたって目隠しを掛けることによって
水着のアイドルが『裸に見える』脳内補完効果である
シマパンツ・ブルーマーは自身の体液を撒き知らし周囲の認識をモザイクのない部分
人物へもっていかせることで自身はモザイクへ潜むことを可能としていた!
(『飽和水球』この技をもってすれば並の天意ですら俺様を
認識することはできないッッ!!
このまま!このまま!目の前の装武にズブリ!
そうすれば俺様と装武は天国へ愛の!愛の昇天を果たすだろうッッ!!!)
如何な偶然かシマパンツ・ブルーマーの謀ったことなのか
配給の列に飛び込んだ装武の後ろにシマパンツ・ブルーマーはあった
(好機!これは絶好のチャンスだ!いきなりさされた装武の顔がとぉおおおっっ
ても見たいッッ!!だがそうすればゆみやに確実に殺される!!
いやッッ!!
殺されるよりも手足・・・いやチンチンまでちょん切られて再生しないように部分
部分に封印されるかもしれん!!!あのサイコならやりかねんッッ!!!
話し合いをするんだッ!装武を仲間にして恐竜を一掃、そして装武を肉奴隷へと
調教しつつ世界を俺様の手にッッ!!!)
シマパンツ・ブルーマーは意を決して装武へ声をかけた
「装武、俺だギンだそのまま振り向かずに聞け、ゆみやに見つかったら殺される」
「おっ?ギンそこにいたのかもんよ?」
昔のままの気軽さで装武は返した
だがシマパンツ・ブルーマーは、ギンは
しゃせい がしたくなった!!!!
そう、急に絵画に目覚めたのである!
なつかしさがその感動のシーンをッ!
留めておきたくなったのである!
ギンは装武の尻にぴたりと銃口を定めた
「お前・・・このヤバンを、まとめッる為に喧嘩売って、歩くつもりか?ハー・・・」
「ぉぉそだぞ」
この思い出のワンシーンを白い絵の具で写生したい
「俺は西の生き残りをまとめ上げた征夷大将軍だゆみやに漏らすんじゃねぇぞ」
(最後の人類が戦もせずに終わるやもしれん)
「ぉ、ぉう
せいし・だい・しょうべん・・・女の子の前で漏らすものじゃないもんよ!!」
シマパンツ・ブルーマーがマスクでくぐもった声をしているのもあるが
装武は言葉の区切りがたまにわからなくなる
「でだ、用件はこうだ。お前が俺様の下につけ。めんどくさいことは全部俺様が
やってやる、お前は喧嘩だけしてりゃいい、昔と変わらない。
ヤバンの王にはしてやる、な?で、俺様が世界皇帝になる
どうだ悪い話じゃないだろ?」
「俺様もう野蛮王だもんよ!銃ぐりぐりすんな!拳銃ぐらいじゃ死なんもんよ!」
「思い出すんだ装武、球技王カードも早食いもかけっこも俺の方が強かった」
「ぉ?全部ズルの奴だぞリストにカード仕込んだり、ごはんに石ころ入れたり
落とし穴作ったり!ちんちんは俺の方がでっかいもんよ!」
「「ちんちんは俺の方がでけぇッッ!!!!!」」
そう!!
二人は丸出しで向かい合ったッッッ!!!!!
「「どっちのちんちんが強いか勝負だッッッ!!!」」
「「カブトバトル!!!」」
マカちゃんと親友のアルギニーナちゃんが再開の抱擁を――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「――――そこまでよッ!!!」
ゆみやはシマパンツ・ブルーマーを霊波制圧した黒騎士に停止を命じた
「ハッ」
黒騎士団団長、黒騎士大剣並みの天意ですら破れない
『飽和水球』いや、
最強の天意の霊波による命令『勅』を唯一、破れた黒騎士である
クレイモア、背中にその背よりも大きい両手の直剣を二本背負っている
鎧はほかの黒騎士とは違いブラックメタル。貴族のドレスのようでもある
白のストレートロングの髪ヘルメットを被ったような頭部には
ガンダン型バイザーではなくサンバイザーのような面、
角はアンテナのような細いものが2本づつ、そして冠
騎士と言うよりはさながら女王の様である
「――エンプレッサ!俺が最初に作った〝マグナム"だ!」
「クレイモア、ご挨拶なさい」
黒騎士は皆、膝をつき頭を垂れた
「ハ、黒騎士団、騎士団長、剣ノⅫ番大剣ノ エンプレッサ デゴザイマス ワタシガアレバ何者デ、
アロウト御身ヲ、害スルコト、アリマセヌ」
「クレイモアは他の子のまとめ役とするのに能力の制限をゆるくしてあります
感情表現の方をすこし押さえてバランスを取りましたのでお聞き苦しいかもしれません
クレイモアはギン同様、ご主人様の死力を直接使用してしまいます。
普段は使い勝手のいい最初の4騎、エースをお使いください。」
「んーまあ。ほどほどに頼むもんよ!俺のカッコいいとことっちゃだめだもんよ!
カッコいいとことっちゃだめだもんよ!(重要)」
「「「ハッ」」」
「(ゆみやちゃんエンプレッサ俺より強くね?)」
装武はひっそり耳打ちした
「そのようなことはございません、これもご主人様のお力の〝一部"でございます
それよりも如何なさいますか?一番の曲者も打ち取れますし」
列に並んだ位置でシマパンツ・ブルーマーは口をパク、パク、と開け閉めして呆けていた
「ギンはいいもんよ?ほっといて。遊びに来ただけだもんよ」
「え?!それは不味いです!ぜぇえええったいロクなことしません!」
「んーじゃあ黒死病抜いとくもんよ」
ひゅぽっ
装武はシマパンツずらし鼻の穴へ指を突っ込んだッ!
「ご主人様・・・それは汚いのでは・・・」
「粘膜からしか出せないもんよ・・・」
びろ~~~~ん
真っ黒い蠢くものが鼻から垂れる
ぱく
「ぁ~~~~~(汚いのに~)変なナノマシン食べたらお腹壊してしまいますよ」
ゆみやは装武の手をとりめっちゃ拭いた
「だいじょぶだいじょぶ。意外といける」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
俺の・・・体液が・・・装武の・・・中に…
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どさ
シマパンツ・ブルーマー・・・
その死に顔は
至福の笑みで両手でピースを示し
白目を剥いていたという・・・
「死んだみたいですね!先ほどご主人様が掘られた墓穴に埋めてあげましょう!」
A4人手足を引きずられ穴へ連れていかれるシマパンツ・ブルーマー
「死ぃぃぃんんでないわああぁあああああ!!!」
ンガ!ゴッゴクン!!
パンツがずれ大きく開いた口にすかさずゆみやは何かを投げ入れた
「!! なっ 何飲ませた?!!!ぐっ」
自らの腹に手刀を突き立てようと大きく振りかぶる
「無駄よ?やっても良いけれど胃酸で溶けないように既に扁桃腺から侵入しているわ」
「クソっナノマシンかっ一度ミンチになるしかッッ・・・」
シマパンツ・ブルーマーの思考が止まった先ほど
不死化させていた黒死病を装武が回収してしまっていた
「ゆみやちゃん何飲ませたもんよ?」
「馬鹿につける薬ですわ」
「俺も一個もらえる?」(´・ω・`)
「ご主人様はピュアなだけですから必要ありません」
(´・ω・`)・・・
「装武!」
シマパンツ・ブルーマーはマスク、いやシマパンツをとり
どこにしまっていたのかブルマを装武に握らせてきた
「母の形見と妹の下着だ。再開の記念にささやかな贈り物だが受け取ってくれ!」
憑き物が落ちたような爽やかさである!全裸だが
「お、おう」
「また3人で悪だくみ、しようぜっ」
屈託のない笑顔でさりげなく全裸で
子供の頃の雰囲気を醸し出そうとしていた
装武とゆみやは ((え?でもそんな爽やかキャラじゃなかったよね))
と言う思いでいっぱいだった。
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――とある廃ビル内
「ああああああああああああぅっっ!!!!
先っちょだけ先っちょだけって言ったじゃなーい!!!!
死んじゃううううぅぅぅッッッ!!!!!!」
「はーーすう、はーーーすう、すまん。だがおかげで助かった礼を言う」
トライドンは土気色の顔のまま噛み千切ったイクアナの腕と口にした
「炎冠に先っちょ食われた腕とはいえもう肩までほとんど無いじゃない」
荒い息をつくイクアナの手首が無かった左腕は上腕まで無くなっていた
トライドンは礼を言うもイクアナを見ていなかった
「次やれば・・・勝てる・・・弱点は判った」
鋭い眼光は遠くを見ていた
「馬鹿ね、まずアタシの心配しなさいよアタシまで動けなくなったら共倒れよ?」
口調は軽いがこちらも出血が、断面を縛ってあるものの、顔にまで出ている。
「光食のアタシ達でも傷を負えばその分を補わなければ生きていけないわ
王から生まれる古代竜型は体がどんどん大きくなるけど
朝日が昇っても何とかなるとも思えないわ。主力部隊は残ってるの?」
「ああ、あの戦いに投入しても無駄だと判断した・・・グッ」
「はいはいごめんなさいあんまり力まないの。お腹に穴開けたんでしょ
今は休みましょう。朝日を浴びてから考えた方がマシだわ、
トライドンいつでも逃げられるようにアタシの背中で寝なさい」
「ああ、」
廃ビルの窓から夜空が見えた




