青い世界
ここはどこだ? 何が起こった?
空間全体が青色に染まってる。
……普通、白じゃないだろうか?
少なくとも俺が今まで見てきた空間は大体白だった。
地面や空などの上下左右が分かるものもないし、重力だって不安定で俺自身がフワフワしているから、方向感覚が狂いそう。
だから、立ってるか寝てるかもわからない。
え~と、俺はどうしたんだっけ?
なんか落ちたような気がするんだけど。
場所的には、マンホールに落ちたのだろうか?
それにしても何故か、やけに冷静な気がする。
青だからかな?
青色は冷静に慣れると聞いたことがある。
次は、場所の把握だ。
長時間いたら死ぬ空間とかだったら、一刻も早く脱出しなければならない。
青だからって濡れる訳ではないから、水にしては色が濃すぎるし、水の中ではないね。
だからって、下水道ではないよね。汚い下水道じゃなくて良かった。
汚れないから安心安心。
じゃあ、ここはどこだろうと考えた時、現実世界にこんな広さもわからない青い部屋がないと思うので、俺死んだという仮説が生まれてくる。
そうだとしても死後の世界が青色一色とかは嫌すぎる。
幽霊みたいな人もいないからそうではないと祈っているが。
ということは、ラノベのよくある異世界に行く準備室みたいなものかな。
所謂チートって物をもらえるやつ。
死にかたはだいぶダサかったけど、チート貰えるなら文句は言わない。
これで俺も勝ち組なはず。
ということで早速神探ししますか。
俺は水中を動くようにして平泳ぎでどんどん進んでいく。
フフン♪フン、フン♪フフン♪
鼻歌しながら探す
探す
探す
探す
探……
さ……
…………神は死んだ。
チートは? 異世界転生は? 神は? 美少女は?
魔法は? ハーレムは?
全く何も無かった。
ハーレムはいいわ。養うの面倒だし、女性同士でいざこざ起きそうだし。
でもこのままいると、気が狂いそうなんだけど。
もしかしなくても相当ヤバい状況では…。
「誰か助けてー」
くそう、誰も来ない。
「誰でもいいから来て‼生き物じゃなくていいから。意志疎通できる奴」
ピカァァァァァァァ―
「ギャアァァァァァァ!眩しいわ⁉」
大声で助けを呼んでいたら、何の前触れもなく突如光が全体に溢れ出した。
そしてなんか現れた。