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ぷろろーぐ

 俺の名前は師走 春樹(しわす はるき)。何処にでもいるごく普通の高校生では――なかった。

今は、訳ありの高校生という事にしておいてくれ。


 俺の隣にいる彼女の名前は天地 麻衣(あまち まい)。10人に8人ぐらいが可愛い、と答えるぐらいの美少女だ。

麻衣は天変地異(カタストロフィ)と呼ばれていた。そう呼ばれるのは強大な魔法の力を持っているからだった。

魔法の前では、どんな大量破壊兵器でも赤子の腕を捻る(・・・・・・・)より簡単だ。

「麻衣。そんな顔するなって」俺はそう言いながら麻衣の脇腹(わきばら)―脇の下らへん―をくすぐる。

「ひゃんっ!? なにすん…んぁ、のよ」

「悲しい顔してただろ? だからだよ」と言って俺はくすぐるのをやめた。

「春樹。何回も聞くけれど私が怖くない、の?」

俺の顔を見てそう聞いてくる。よく見れば瞳が揺らいでいて(まゆ)とまつ毛を不安そうにゆがめていた。

「はぁ。これで何回目だよ。……まあいい。何回でも言ってやる。美少女だし、怖くなんてねえよ」麻衣に軽めのデコピンをくらわす。


 魔法に関して詳しく語る事にしよう。実はこの世界には昔、魔法を使う者は少数だが存在していた。

その時には、魔導書(まどうしょ)と言うものが書かれて流通していたそうだが何処かの政府が暴動(ぼうどう)を恐れてなのかは昔の事なので知らないが、"異端(いたん)"として狩られたそうだ。

魔導書も全て回収して、燃やそうとしたのだが燃やせなかったため地下に魔導書を保管して、厳重(げんじゅう)な管理をしているそうで今ではごく僅かな人間しか使えなくなった。

 麻衣は、天変地異(カタストロフィ)として一種の異端として扱われている。それはなぜかと思う者がいるだろう。

麻衣の家系、血に魔導書の内容を刻んでいる。そこまでは別にいいのだが刻んでいる内容(もの)が半径10キロを廃墟にさせる、と強大すぎるものだったからだ。

 魔法を使用するためには魔力というものが必要になる。それも麻衣の家系は膨大だったのだ。――俺も麻衣と同じくらいだが。

俺がなぜそういう事に詳しいかというと、俺は魔導書を回収した直系で天変地異の監視(・・・・・・・)暴走した際の鎮圧(・・・・・・・・)をするために、より強力な魔法を作って俺に無理やり教えたからだ。


「麻衣。ところで時間の方は大丈夫なのか」そう、そろそろ走らないと遅刻してしまう時間なのだ。

「えっ、ほんとだっ! 急ぐよ、直樹っ」と言って麻衣は走る。

俺も麻衣の後を追いながら走る。



 その時の俺は気付けなかった。俺と麻衣に次元転位魔法が掛けられていることに。

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