第十五話Lv.999の神、王都に立つ
王都で、月神教の残党が処刑された。
その時月神ナンナが現れた。
月神ナンナは「天罰」と称して民衆を殺戮する。
ナンナの大量虐殺でエリドゥ人4,000人が発狂死した。
アルリムがLv測定器メガネで見たら月神ナンナの戦闘力は驚く程高かった。
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月神ナンナ Lv.999/神族
HP:99,952,734/99,952,734
スタミナ:16,532,774/16,532,774
MP:16,532,777/16,532,777
戦闘スキル
レハシュヒート
半径1kmの敵を狂わせる。
戦闘スキル2
シガーオン
対象一人をナンナの右手から出る魔力で発狂死させる。
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アルリム「皆逃げろーーーー!荒神だーーァ!」
月神ナンナ「我が友を処刑した貴様らは万死に値する。」
民衆が悲鳴を上げる。
だが遅い。
ナンナが右手を上げる。
ナンナ「レハシュヒート」
空気が震える。
見えない波が、半径一キロを包む。
男が笑い出す。
女が泣き叫ぶ。
兵士が仲間を斬る。
狂気が伝染する。
◇
クシムは歯を食いしばる。
クシム「範囲系かよ……!」
聖女アルトリア♀「心を侵されています!」
ナンナの視線が、一人の兵へ向く。
ナンナ「シガーオン」
右手から蒼い魔力。
兵士が硬直。
次の瞬間、絶叫と共に崩れ落ちる。
静かだ。
静かすぎる死だった。
◇
アルリム「兄さん、勝てる相手じゃない!」
クシム「分かってる」
即答。
クシム「だから勝ち方を変える」
アルリム「?」
クシム「神は力で殴るもんじゃねぇ」
ナンナがこちらを見る。
ナンナ「我が友を処刑した貴様らは万死に値する」
クシムは一歩前へ出る。
クシム「友?」
ナンナの瞳が揺れる。
ほんの一瞬。
クシムは見逃さない。
クシム「ナンナル達のことか」
沈黙。
アルリムが小声で言う。
アルリム「兄さん、何を……」
クシム「挑発だ」
◇
クシム「お前、怒ってんのか」
ナンナ「神に怒りはない」
クシム「あるだろ」
即答。
クシム「友を殺されてキレてる。だから暴れてる」
ナンナの魔力が膨れ上がる。
だが、言葉は止まる。
クシム「それ、ただの“八つ当たり”だ」
空気が凍る。
◇
アルリムが震える。
だがクシムは続ける。
クシム「神なら、裁け」
クシム「無差別に殺すな」
短い沈黙。
ナンナの背後で月光が揺れる。
ナンナ「……人は弱い」
クシム「ああ、弱い」
クシム「だから支えろよ」
その瞬間。
レハシュヒートの波が弱まる。
民衆の目に、理性が戻る。
アルリム「効果が落ちてる……?」
◇
ナンナは空を見上げる。
ナンナ「我は……信仰で形を保つ存在」
ナンナ「恐怖は強い。怒りも強い」
クシム「でも尊敬はもっと強い」
クシム「神様」
ナンナを見る。
クシム「力を見せたいなら、救え」
長い沈黙。
王都の空に、雲が流れる。
ナンナの右手が下がる。
ナンナ「……愚かな人間よ」
その声は、先ほどより静かだ。
ナンナ「次に会う時までに、答えを示せ」
光が収束する。
月光が空へ昇る。
神は消えた。
◇
広場に残ったのは、静寂と、震える人々。
アルリム「……生きてる」
クシムはその場に座り込む。
クシム「寿命縮んだわ……」
聖女アルトリア♀「無茶を……」
クシムは笑う。
クシム「テンプレだろ?」
クシム「最初は勝てない神」
アルリムも笑う。
アルリム「で、最終章でぶっ倒すやつ」
遠くの空に、月が浮かぶ。
今度は静かだ。
だが戦いは終わっていない。
次章――神殺し編、開幕。




