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クシム外伝ー本編では語れなかった真実ー  作者: 勇氣
前日譚

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18/24

第十五話Lv.999の神、王都に立つ

王都で、月神教の残党が処刑された。


その時月神ナンナが現れた。


月神ナンナは「天罰」と称して民衆を殺戮する。


ナンナの大量虐殺でエリドゥ人4,000人が発狂死した。


アルリムがLv測定器メガネで見たら月神ナンナの戦闘力は驚く程高かった。

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月神ナンナ Lv.999/神族

HP:99,952,734/99,952,734

スタミナ:16,532,774/16,532,774

MP:16,532,777/16,532,777

戦闘スキル

レハシュヒート

半径1kmの敵を狂わせる。

戦闘スキル2

シガーオン

対象一人をナンナの右手から出る魔力で発狂死させる。

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アルリム「皆逃げろーーーー!荒神だーーァ!」


月神ナンナ「我が友を処刑した貴様らは万死に値する。」


民衆が悲鳴を上げる。


だが遅い。


ナンナが右手を上げる。


ナンナ「レハシュヒート」


空気が震える。


見えない波が、半径一キロを包む。


男が笑い出す。


女が泣き叫ぶ。


兵士が仲間を斬る。


狂気が伝染する。



クシムは歯を食いしばる。


クシム「範囲系かよ……!」


聖女アルトリア♀「心を侵されています!」


ナンナの視線が、一人の兵へ向く。


ナンナ「シガーオン」


右手から蒼い魔力。


兵士が硬直。


次の瞬間、絶叫と共に崩れ落ちる。


静かだ。


静かすぎる死だった。



アルリム「兄さん、勝てる相手じゃない!」


クシム「分かってる」


即答。


クシム「だから勝ち方を変える」


アルリム「?」


クシム「神は力で殴るもんじゃねぇ」


ナンナがこちらを見る。


ナンナ「我が友を処刑した貴様らは万死に値する」


クシムは一歩前へ出る。


クシム「友?」


ナンナの瞳が揺れる。


ほんの一瞬。


クシムは見逃さない。


クシム「ナンナル達のことか」


沈黙。


アルリムが小声で言う。


アルリム「兄さん、何を……」


クシム「挑発だ」



クシム「お前、怒ってんのか」


ナンナ「神に怒りはない」


クシム「あるだろ」


即答。


クシム「友を殺されてキレてる。だから暴れてる」


ナンナの魔力が膨れ上がる。


だが、言葉は止まる。


クシム「それ、ただの“八つ当たり”だ」


空気が凍る。



アルリムが震える。


だがクシムは続ける。


クシム「神なら、裁け」


クシム「無差別に殺すな」


短い沈黙。


ナンナの背後で月光が揺れる。


ナンナ「……人は弱い」


クシム「ああ、弱い」


クシム「だから支えろよ」


その瞬間。


レハシュヒートの波が弱まる。


民衆の目に、理性が戻る。


アルリム「効果が落ちてる……?」



ナンナは空を見上げる。


ナンナ「我は……信仰で形を保つ存在」


ナンナ「恐怖は強い。怒りも強い」


クシム「でも尊敬はもっと強い」


クシム「神様」


ナンナを見る。


クシム「力を見せたいなら、救え」


長い沈黙。


王都の空に、雲が流れる。


ナンナの右手が下がる。


ナンナ「……愚かな人間よ」


その声は、先ほどより静かだ。


ナンナ「次に会う時までに、答えを示せ」


光が収束する。


月光が空へ昇る。


神は消えた。



広場に残ったのは、静寂と、震える人々。


アルリム「……生きてる」


クシムはその場に座り込む。


クシム「寿命縮んだわ……」


聖女アルトリア♀「無茶を……」


クシムは笑う。


クシム「テンプレだろ?」


クシム「最初は勝てない神」


アルリムも笑う。


アルリム「で、最終章でぶっ倒すやつ」


遠くの空に、月が浮かぶ。


今度は静かだ。


だが戦いは終わっていない。


次章――神殺し編、開幕。

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