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最後の標的  作者: 有氏ゆず
第六話 秘密
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6-1




9月18日(金)


悠真は教室の窓際の席に座りながら、棗の姿を探していた。悠真と棗がプリクラを撮ってから、ちょうど一週間。


彼の心の中では激しい葛藤が渦巻き続けていた。

──10月1日。その期限が刻々と迫っているのに、悠真は棗を殺せていない。


悠真は教室の扉を見つめながら、棗が教室に入ってくるのを待っていた。

棗と一緒にいる時間が、悠真にとってこの上なく大切なものになっていた。しかし同時に、「俺は棗を裏切っている」という罪悪感が、悠真の心を激しく揺さぶり続ける。


(……この短い日々で俺は棗と本当に色々なことをした。一緒に登下校して、一緒に昼食を食べて、一緒に授業を受けて。土曜日にはクラスメイトと遊んで。そして、棗の誕生日も祝って。その全てが、俺にとって大切な思い出になっている。でも……)




ガラッ


悠真の思考は、教室の扉が開く音によって中断された。悠真は扉の方を見つめ、棗の姿を確認する。


「おはよう、クラスメイトの諸君!来て早々職員室呼ばれちゃってさ、人気者はつらいな!」


棗はいつものように笑いながらクラスに入ってきた。


「驚いたぞ、急に校門で呼び止められたかと思ったら連れて行かれたから」

「いやー、悪い悪い。ちょっと色々話すことがあったんだってさ」


棗は悠真の隣の席に座る。そして身体を悠真の方に向けた。こうやって話すのも、最早見慣れた光景となってきた。




「そうだ、悠真クン。今日放課後予定空いてたりする?話したいことがあるんだ」


ふいに棗にそう言われて、悠真は驚く。予定なんかある訳がない。あったとしても、棗の誘いを断る訳が無かった。


「空いてる。話したいことって何だ」

「んー、それは放課後に話すってことで」


何やらここでは話しづらいことらしい。なので悠真はそれ以上聞くことはしなかった。どうせ放課後に聞くことになるのだから。


「じゃ、今日はちょっと寄り道して帰ろうか。約束だからな」


棗はそう言いながら、歯を見せて笑った。




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