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最後の標的  作者: 有氏ゆず
第五話 宝物
35/39

5-4




悠真は棗の悔しそうな声を聞いて、クレーンゲームの機械を見つめた。透明なケースの中には、色とりどりのぬいぐるみが並んでいる。


「……クレーンゲーム、か。何が欲しいんだ」


悠真は棗が何を欲しがっているのか知りたかった。そして、できれば棗の代わりに取ってあげたいと、そう思っていた。


「……俺が、やってみてもいいか?お前が欲しいものを取ってやりたい」


その言葉には、悠真の素直な気持ちが込められていた。悠真は棗の喜ぶ顔が見たい、ただその一心だった。




「……じゃあ、あれ。あのサカバンバスピスの、でっかいやつ」


少し黙った後、棗は要望を口にした。


あんな大きいもの、絶対取れないだろう……と思っていたし、別に期待はしていなかった。

ただ、悠真の気持ちが嬉しかっただけで、少し甘えてやろうという気になったのだ。


悠真は棗の視線を追って、クレーンゲームのケースの中を見つめた。そこには、独特な見た目のぬいぐるみが置かれていた。

古代生物を模したそのぬいぐるみは、確かに大きい。通常のクレーンでは取りにくい位置に置かれている。


「……わかった」


悠真は小さく頷き、クレーンゲームの前に立った。


「あれを取ればいいんだな」


悠真はポケットから小銭を取り出し、機械に投入した。クレーンゲームのコントローラーを握りながら、悠真は慎重にクレーンの位置を調整していく。


クレーンをぬいぐるみの真上に移動させ、ボタンを押した。クレーンがゆっくりと下降し、ぬいぐるみを掴む。




「……ああーっ、ダメか……!」


しかし一度目は失敗し。クレーンがぬいぐるみを掴みきれず、すぐに離してしまった。

棗が落胆の声を上げる。


「……もう一度、やる」


悠真は再び小銭を投入し、今度はさらに慎重にクレーンの位置を調整した。


二度目の挑戦。クレーンが下降し、ぬいぐるみの首元を掴んだ。クレーンがゆっくりと上昇し、ぬいぐるみを持ち上げる。

悠真はつい、息を止めながらクレーンの動きを見つめる。


「……あっ!取れそうだよ!朝倉クン!」


クレーンがぬいぐるみを取り出し口まで運ぶ。




ガタン!




……そして、ぬいぐるみが落下した。




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