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最後の標的  作者: 有氏ゆず
第三話 ともだち
22/39

3-7




……時刻は20時。フリータイムとはいえ、調子に乗って歌いすぎてしまった。


クラスメイトと別れ、二人はバスに乗り、夢見アパートへ向かっていた。

窓の外は暗く、街灯だけが道を照らしている。


悠真は棗の隣に座りながら、今日一日を思い返す。

カラオケでの歓迎会、クラスメイトとの笑い声、棗の歌声。その全てが、悠真にとってかけがえのない時間だった。


「……今日は、楽しかった」

「そっか。それなら良かった。次は転校生クンも曲覚えて一緒に歌おうな」




……バスが夢見アパートの最寄りのバス停に到着し、二人は降りた。アパートまでの道を、歩く。悠真は無意識に、棗と距離を詰める。


そしてアパートに到着する。

棗の部屋は2階、悠真の部屋は3階。別れる時間が近づいている。悠真は棗の方を見つめ、小さく呟いた。


「……水鏡、また明日な」


その言葉には、いつもより少しだけ寂しさが滲んでいた。棗との時間が終わることを、心から惜しんでいる。


「おいおい、明日は日曜日だぞ。だからまた明後日、だな!」


悠真は棗のその言葉を聞いて、一瞬動きを止めた。つまり、棗と会えない日。悠真の胸の中で、急に寂しさが広がっていく。


「そうか、日曜日か」


悠真は棗の方を見つめ、小さく頷いた。


「……じゃあ、また明後日」


悠真はそう言いながら、棗から離れることができなかった。無意識に、棗の隣に立ち続けている。




「帰ったら、MINEするよ」


悠真の心情を知ってか知らずか、棗がそう告げる。その言葉を聞いて、悠真の胸が熱くなった。


「……わかった。またな、水鏡」


その言葉には、いつもより少しだけ温かさが滲んでいた。


「ああ、また後で!」


また後で……その言葉がどれだけ嬉しかったか。悠真は頷き、棗が部屋に戻ったのを見届けた後、3階の自分の部屋へと向かった……。




第四話へ続く……




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