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彼の意識は、もう──完全に途絶えていた。
しかし──その最後の瞬間に、×××の言葉が届いた。
「……だいすき」
──ああ。そうか。お前も、同じ気持ちだったんだな、×××。
彼の唇が──かすかに笑みを浮かべた。
それは──16年間、一度も見せたことのない表情だった。
公園のベンチの下で、二つの体が──抱き合ったまま、静かに横たわっていた。
白いシャツも、黒い制服も──赤く染まっていた。二人の血が混ざり合って、地面に広がっていった。
──俺たちは、結局──この世界に居場所がなかったんだ。お前も、俺も。
──でも、最後の最後で──お前と出会えて、良かった。
──来世があるなら──今度は、普通の高校生として、お前と出会いたい。
秋の風が、二人の髪を優しく撫でた。彼の黒い髪と、×××の黒い髪が──絡み合って、揺れていた。
公園には、誰もいなかった。ただ──二人だけが、そこにいた。永遠に。
──さようなら、×××。また、会おう。次の世界で。
《最後の標的・開幕》




