浸食 プロローグ
プロローグ。。この先の話に今回の会話の一部分が入っているので飛ばして大丈夫ですが、読むと功太の日常から地獄への落差を感じていただけると思います。
功太含め他の登場人物のプロフィールは作品情報の所にありますのでそちらも読んでいただけると嬉しいです。
10月、土曜日の爽やかな朝。
某県の尻山新町という町に白い壁に青い屋根のごく普通の一軒家があり、そこには父と子の2人が住んでいる。
「功太~今日は帰り少し遅くなるから。あとゴミ出し頼むぞ~」
「は~い。帰りに牛乳がもう無いから買ってきて~」
「はいはい。分かった。連休だからってゲームばっかするなよ。行ってくるから戸締まり頼むから
な・・・あとまた公園で遊んでて途中で寝ちゃったりするなよ~。」
「もう寝ないよッ!行ってらっしゃい 気を付けてね」
父親は車に乗り仕事へ向かった。見送りをしてから功太くんはゴミ捨てに向かった。
家から5分ほどの所にゴミ集積場がある。
ゴミ捨てが終わると功太はジョギングをしながら遠回りして家に戻るのが毎週土曜の日課となっている。
家から10分ほどの距離にある尻山神社に付いた。
境内では神主がほうきで落ち葉を掃いている。
「おはよう、功太君。 ゴミ捨てご苦労様 。はい、ご褒美。」
そう言って神主は缶ジュースをくれた。
「ありがとうございます」
それを神主のおじさんと話しながらベンチに座り飲む。
これもゴミ捨ての日の日課の一つだ。
「じゃあ仕事に戻るから気を付けて帰るんだよ功太くん。」
「はい。いつもジュースありがとうございます」
そうお礼を言ってから家に向かってジョギングを再開した。
神社を出てから工場地帯を抜けてしばらく走ると自分の家が見えてきた。
家の周りには3軒の家が建っているが工場からの騒音が原因ですべて空き家になってしまっている。
しかしそのおかげでいくら騒いでも前に住んでいたマンションみたいに怒られることないので功太はこの家をとても気に入っている。
帰宅後、手洗いをしてドカッとソファーに、うつ伏せで寝そべり携帯ゲーム器の電源を入れた。
ギシッ
背後で床鳴りがして振り返る。
振り返った瞬間知らない男が立っており目が合った瞬間ニヤリと笑った。
恐怖で身体が動かない・・・。