解剖記録67番目 乱戦
カスミ「……広い…」
伏黒「この奥に三好組の親玉がいるはずなんだがな…」
鳳「そうだね…異様に人がいない…」
風無「そうだ…それがおかしいんだ」
カスミ「ゾンビの研究に使ったとかない?」
風無「食われたっていう説は…」
カスミ「それはない、血しぶきとかなかったもん」
風無「避けろ!」
急に肩を押され、私は地面に打ち付けられた。
風無「そういうことか……」
そして鳳さんは自身の背中に背負っている盾でわたしを守ってくれていた。
カスミ「……ありがとう…」
伏黒「……マジで大丈夫か、風無」
何のため持ってきていた発煙筒を奥に投げた。
風無「ああ、だが長くは持たねぇ…」
よく見ると、胸を撃たれていた。
風無「出てこいや!卑怯者!」
そういったが出てくる気配はなかった。
風無「……毒か」
風無さんは毒が塗られた銃弾でやられていたらしい。
カスミ「……近くになにか丈夫な遮蔽は…」
ふすまの奥には机とかあるかもしれない…だが奥に敵が隠れてるかもしれないな。
カスミ「……ナイフ貸してくれないか?」
鳳「わかった……私が移動するから、ドアを開けてくれ」
カスミ「わかった…」
私は静かにふすまに向かって行って、ドアを開けた。
カスミ「いないよね…」
鳳「いったん隠れてて…」
カスミ「はいはい…」
私は押し入れに入った。
鳳「……そこから机投げれるか?」
カスミ「多分…」
鳳「せーので投げるよ」
私は机に手をかけた。
風無「一体どこからなんだ!?」
風無さんはその間に銃弾の嵐にさらされて、地面に血だまりができていた。
鳳「せーの」
カスミ「おりゃー!」
鳳「ナッシー!これを使え!」
風無「……遮蔽か…」
すぐに机の脚を立て、遮蔽にした。
風無「しかし、まずいな…」
鳳「ほかの机をなげるぞ!」
カスミ「わかった…」
そして押し入れにある机を投げまくった。
四月一日「とつげきぃ」
大迫「ちょ…四月一日の兄貴!?」
四月一日さんは机を拾い、敵がいるであろうふすまに向かった。
四月一日「ほーむらーん」
そしてそのままの勢いでふすまを突き破り、敵の姿を見させてくれた。
????「ぬぅぅ!?」
ホームランの体制が仇となったのだろう、はじき出された奴の手榴弾で吹っ飛んだ。
四月一日「わぁぁ!?」
大迫「四月一日の兄貴ィィ!!!」
????「兄貴の名前叫んで集中してたら背後に気配が通らないでしょう?」
まずい、この人たち強い……
鳳「……伏黒さん!?」
伏黒「すまない、あいつを使う」
そして、地面から出てきたのは、生きる屍のこと、二野宮さんだ。
二野宮「あー……そういうことね…」
鳳「…地面を潜ってきたのか…?」
伏黒「お前は大迫の近くにいる三好組の三下、俺は正面のヤツ」
二野宮「わかったよ」
そして両者は別々の方向に向かった。
伏黒「何やっとんじゃぁ!!!」
それは完全な不意打ちだった。
????「むぅぅ!?!?」
奴の脇腹をとらえた。
カスミ「どうやって貢献したら……」
今持っているものは……あまり役たたないものだ……
カスミ「正面に行ってくる!」
鳳「え…ええ!?」
私は正面に行った。
カスミ「ハートのAさん!?大丈夫ですか!?」
私が見覚えのあるハートのAとは違う、知らない人だ」
ハートのA?「…カスミか、この姿、初めてだろう?」
カスミ「……何ですか…」
ハートのA「……仕方ないか、これ、貸すよ」
そして渡されたのは、変な形の刀だった。
ハートのA「まぁ、それで行けるだろう」
カスミ「ありがとう!」
ハートのA「ちょうどこいつの相手は終わったからな……そっち行くよ」
その怪物はミンチになっていた。
カスミ「行きましょう!」
そして私は戦場に戻った。
カスミ「大迫さん!」
大迫「逃げろ…」
カスミ「私はもう逃げないんだぁ!!!」
私は決断した、もう許せないと」
二野宮「おっと……」
カスミ「おらぁぁ!!!」
私はそいつの脇腹にナイフを差し込んだ。
????「なに…熱い!?!?」
刃先は熱くなさそうなんだが…なんだ?
カスミ「死んどけ!」
私はナイフを一回転させ、奴を切り裂いた。
カスミ「……伏黒さんたちは!?」
伏黒さんともう一人はナイフで切りあっていた、だが伏黒さんの方が劣勢らしい。
鳳「まっずい」
鳳さんが風無さんをどこかに運んでいった。
大迫「……ぅ」
カスミ「ハートのAさん!大迫を運んで!」
大迫「いや……先に四月一日の兄貴を…」
ハートのA「……君の方が重症だが」
そしてハートのAさんは大迫さんと四月一日さんを外に連れ出していった。
ハートのA「いっくよー!」
そして私と伏黒さん、それにあいつとの勝負になった。
カスミ「そういえば……拳銃」
かばんの底に眠っていたっけな、私は撃とうとしたが、伏黒さんと同じタイミングで奴が動くから的が定まらない。
カスミ「………行くか…」
私は腹をくくった。もう人を殺してるんだ、後戻りはできない。
カスミ「おらぁぁ!!」
伏黒「なんだ!?」
????「へぇ……突っ込んでくるのか」
私の突撃を見逃さなかった奴は私の方向に刃先を向けた。
????「死ね」
その刃は……私の首をとらえていた。
伏黒「俺から目を離すなよ」
その隙に伏黒さんは奴の頭に鉛玉をねじ込んだ。
カスミ「痛い痛い!!!」
伏黒「……こりゃ…深いぞ」
ハートのA「大丈夫か!」
伏黒「ハートのAか…カスミの首元に刃物が入っている、奴の刃が折れたんだろうな」
ハートのA「こりゃ…死なせるわけはないな」
伏黒「ああ……俺は奥の大将のタマを取ってくる、ハートのAは嬢ちゃんを助けてやってくれ」
おやっさん「わしも行くぞ」
伏黒「ご老体なので、無理はだめですよ」
おやっさん「ご老体って、54歳だぞ」
伏黒「そうですよね、おやっさん」
ハートのA「じゃ…連れて行きますね」
そして伏黒さんたちは奥の部屋に行った、
ハートのA「誰もいないよね」
そして私はあの場所に運ばれた。
ハートのA「……みんなは寝てるのか…」
カスミ「いた…」
私の意識はそこで途切れた、その後の事は知らない、けれど、助けてくれた。
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