解剖記録50番目 月華高等学校
伏黒「……どうやって向かおうか……」
安藤「どけ!」
カスミ「よかった…生きてた…」
安藤「あのまま死んでたらよかったんだがな」
カスミ「それだけはやめて」
安藤「まぁ…伏黒、後で酒いっぱいやっとくか?」
伏黒「…いいや、やめておくよ」
安藤「それと、ヘリだろう?上に止めてあるぞ」
伏黒「……体は大丈夫か」
安藤「ああ……傷はまだふさがってないが…動けるほどに回復したからね…」
カスミ「……なにか無茶してないですか?」
安藤「ああ、切腹しようとしたが、全力で止められたよ」
カスミ「結局やったのかよ!?」
安藤「私は痛みにひるまないんだよ!」
そしてヘリで向かうことにした。
カスミ「でも…上に穴は…まさかあの穴を使うの?」
安藤「いや、違うぞ」
すると、ヘリの真下から銃撃が鳴った。
安藤「ぶち破るんだよ!」
カスミ「えええええ!?!?」
ガラスは粉々に、そしてヘリは外に飛び立った。
カスミ「これが……外の世界……自由だ……」
安藤「なんだよ、闇落ちしそうなこと言いやがって」
カスミ「聞いてましたよね、私のお父さんとお母さんを潰しに行くって…」
安藤「ああ…あれはものすごく決意がこもってたんだもんな」
伏黒「……というか、警備はどうした?」
安藤「ああ、威圧でどっかいかせた」
伏黒「……警備の奴ら…イモ引いたか…」
安藤「ほんと、根性ないんじゃないの?」
伏黒「……その警備の奴ら……愚連隊上がりの奴らだからな…それに兄貴たちにヤキを入れられてるやつだ、仕方がないだろう」
安藤「だから…私たちが襲った顔つきだったのか」
伏黒「…愚連隊を襲撃してたのか…」
安藤「ああ、一応、この世界になる前は…ね?」
伏黒「だったら俺らの耳に入ってきてもおかしくないんだがな」
カスミ「あの人が言ってた都立の学校って…あそこじゃないですか?」
伏黒「……たぶんな、上で家庭菜園をやってやがる…明らかに人がいた証拠だ」
安藤「ここって……生きてるのだろうか…」
伏黒「どうしたんだ?」
安藤「いや……何でもない」
なにかかくしてそうだが…いいや…
安藤「……どこか止めるところは…」
そして屋上の階段の手前にヘリを止めた。
安藤「……これ、今朝水をやったな」
カスミ「そんなの…わかるんですね」
安藤「ああ、この水たまり、新しいんだ」
伏黒「……中に入ろうぜ」
安藤「そうだな……」
中は血がいっぱい壁とか床に飛び散っていた。
カスミ「おわ…おぞましい」
その中には犠牲者の服だろうか、そこら中に散らばっていた。
カスミ「これ、まとまって動いた方がいいですね」
伏黒「そうだな……どこかで息をひそめているかもだな」
すると、どこかから私の声が聞こえてきた。
カスミ「これって……」
安藤「ちょっとまって…………あの時の録音か……ということは……ここまで電波が届いていたんだ」
カスミ「その教室まで行きましょう……」
伏黒「いやまて、それこそ…」
安藤「ブービートラップ…でしょ?」
伏黒「ああ…言おうとしたんだがな…」
安藤「でも、さっきまで流れてなかったんでしょ?」
カスミ「そうだよね……」
安藤「だったら人がいるかもしれないね」
カスミ「……見てみます」
私は小窓から録音が聞こえる教室を覗いた。
カスミ「……誰か倒れています!」
安藤「くそ…なんでこういうときに医者がいないんだ…」
中村「ピヤァァァ」
カスミ「なんで中村さんが…」
ハートのA「私だよ…じゃぁね」
カスミ「……神出鬼没だな……」
中村「あれ…さっきまで家に……あっ……安藤さん生きてたぁぁぁ!?!?幽霊じゃないよね?」
安藤「幽霊だと見えないだろう?」
中村「あっ…そうですよね」
安藤「…この中に突入するぞ」
安藤さんが教室のドアを蹴り飛ばし、中に入っていった。
安藤「大丈夫か」
中村「……ひどい出血量……おなかを切られている…」
????「うっ……ここになんで人が…?」
中村「しゃべるな、傷口が開く」
……どうしておなかが切られているのかは、知らないけれど……彼女の横には拳銃が転がっていた。
????「奴らが来る……」
すると、横にある拳銃でドアの方向に構えた。
カスミ「大丈夫……私たちがいる」
安藤「それ、私のセリフ」
伏黒「俺のな」
ゾンビが押し寄せてくるのが音からしても、聞こえてくる。
カスミ「……」
私は集中をした。
カスミ「きた!」
ゾンビが入り口に固まってきた。
伏黒「どんだけいるんだよ…馬鹿が…」
安藤「仕方ないだろう」
中村「…いったん安全な場所に……」
安藤「そうだな………」
すると廊下から走る音が聞こえてきた。
中村「……ブーツ……足音が軽い……女子が来る」
すると、ドアを一瞬で切り刻んで、こっちに来た。
伏黒「急にかよ!?」
伏黒さんは何かに察したのか、片手に小刀を持った。
伏黒「むぅぅぅ」
あまりにもその刀は早かった。
伏黒「…くそ……いてぇじゃねぇか」
顔に切り傷ができていた。
安藤「……おめぇ……生きてたのか」
カスミ「えっ!?」
????「お姉ちゃん…なんでここに」
安藤「はぁ……お前が生きてたのは、わかっていたが……刀手に入れていたのは、予想外だ」
????「でしょ?」
安藤「……でもな……人を簡単に傷つけたらだめでしょうが!?」
????「でも…こいつら……あの組織の奴らかと……」
安藤「どの組織だ!?」
????「三好組だっけな……」
すると、周りが凍り付いたかのように静かになった。
????「やっぱり……なにか知ってるんだ」
伏黒「……ここに手を付けていたのか……」
????「ああ、さっき来ていたんだ……今も徘徊してるかも」
三好組の三下「あれぇ?ここに大和組の伏黒と…その取り巻きか」
伏黒「……なんだ、三好組の三下が」
……これ、大ピンチじゃないか?
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