解剖記録46番目 爆発跡
カスミ「…もう一度…あの場所に行ってみる…」
伏黒「だが…危険だぞ」
カスミ「……すこし気がかりなんだ…」
何故、車が電波塔に向かっていたのか…気になることだった。
上谷「…原付二人乗りします…?」
カスミ「ああ、頼む…」
私は上谷に連れられて電波塔に着いた。道中は何も気にならなかった。
カスミ「…綺麗に頂上が爆散してるわね…」
上谷「ですね…使えるものはなさそうですし……でも、なんでここに来たかったんですか?」
カスミ「……」
私は安藤さんの落ちた場所とされるところを探した。
カスミ「…これって…なんだろう…」
上谷「銀色のプレートに…文字が刻印されてる…」
…いつも首に吊り下げていた装飾品だっけな。
????「なんであんたらがここにいるんだ…」
上谷「…何なんですか」
ハートのA「さっき別れたばっかりなのに…ここで再会するなんて…何か結ばれてるのかな?」
上谷「…ここの捜索ですか?」
ハートのA「ああ……ついさっき急患が運ばれてきたって、仲間から連絡があった、ここで救助したらしい…その身元の特定が目的かな?」
カスミ「…これ、わかる?」
ハートのA「…KANA ANDO…22321…って書いてあるね…」
カスミ「…これ、安藤さんが身に着けていて…それでここで自爆して…」
ハートのA「…少し待ってて……調査班だ、急患の怪我はどういうのだ?」
そして、このような答えが出てきた。
ハートのA「…爆傷だ、その爆傷の程度は手榴弾の類だが…奇跡的に四肢欠損はない、すごいな」
カスミ「…じゃぁ、これ持っていってくださいよ!」
ハートのA「……仲間だったか…そいつの…」
カスミ「だから…連れて行ってくださいよ…」
ハートのA「どういう事かは知らないけど…その願いだけは受け入れられない、すまないな」
カスミ「…だったら回復するまで指をくわえて待ってろと言ってるんですよ…そんなの…できない…」
ハートのA「君の事を思って、このことを言っているんだ…私からの経験上、わかる、だから…君には死んでほしくないんだよ」
カスミ「……けれど……」
ハートのA「……なんだ?」
カスミ「私の親が引き起こしたんですよ…この出来事は…だから…落とし前をつけたいんですよ…それなのに…仲間が……」
ハートのA「……わかった、ただ物とかは気軽に触るなよ!?」
カスミ「…わかったよ…」
そして私たちは人気のない森を進んだ。
カスミ「……ここって?」
ハートのA「…入って」
すると、空間に穴が開いた。
カスミ「す…すごい…」
上谷「お…おお」
ハートのA「本当は次元をつなぐ技術なんだけど…その狭間に私たちの住んでいるところがあるんだ…」
上谷「…それって……あなた自身の空間を持っている…」
ハートのA「まぁ…そういうことだな」
そして穴を潜り抜けた先には…見慣れない人、それに異形の人もいた。
ハートのA「…なにこの子たちをじろじろと見てるんだ?」
????「いやさすがにないぞ…しーちゃん」
ハートのA「うるさいな…誘拐じゃないから大丈夫なの、それで…急患はどこだ?」
????「ICUで寝てるぞ、ぐっすりだ」
ハートのA「ありがとう」
そして、私たちは案内された場所に着いた。
ハートのA「…こいつか?」
カスミ「…安藤さん!」
死んだと思った安藤さんが…生きていた、幽霊じゃないよな?
カスミ「目を覚ましてよ…」
ハートのA「すぐに目を覚ましたら怖いわよ…数日待ったら起き上がるかもよ」
カスミ「…そうですか…」
ハートのA「……こいつらはな…修羅場を潜り抜けてるが…どこか抜けてるんだ…」
カスミ「は…はぁ」
ハートのA「でもな…私の大事な仲間なんだ…それで…君の言葉を聞いて、確信したんだ。君が今度、世界を変える人なんだって」
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