解剖記録45番目 電波
カスミ「今…聞いてる人は少ないと思いますが…私はカスミ……もし…私を知っている人がこの放送を聞いてるんだったら……ありがとう」
下から羽音が聞こえてきた。
安藤「早く終わらせろ!」
カスミ「……そのほかの人も聞いてほしい…馬鹿を見たで済ませるのか!?もし…反撃の狼煙を上げるのなら…私たちは手を貸す…だから…」
すると、ブツンと信号が消えた。
カスミ「…信号切られたか…」
上谷「ちょっとごめん!」
安藤「黙って来てたのか……」
上谷「……安全ロープよし……行ってくる!」
安藤「少し待て……」
下では虫のようなゾンビが羽音を響かせてこっちに向かってきている。
安藤「ほらぁ!冥途の土産だ!」
安藤さんは手榴弾を奴の口にはめ込んで蹴飛ばした。
安藤「上谷!今の内だ!」
上谷「はーい」
安藤「……爆散したか……しかし…なんで虫も感染してるんだ…?」
カスミ「水道水垂れ流しだったか…かな?」
上谷「おっけ!」
独自回線をつないでくれたらしい。
カスミ「みんなの勇気と覚悟が必要なんだ!そして…私のお父さんとお母さんを潰しに行こうじゃないか!そしてこの世界を治そうじゃないか!」
安藤「もう限界だ!」
カスミ「おっけ…わかった!」
私は発信機を投げ捨て、ヘリに飛び込んだ。
カスミ「…安藤さん…?」
安藤「おい…先行ってくれ…」
隊員「ですけど…隊長は…」
安藤「さっきのでな…一発もらってしまった…だから…この子たちを…頼む…」
隊員「グッ…すいません!」
安藤「だってな…わたしはな…堅物の安藤だからな!」
そして上谷を乗せて、電波塔を離れた、そしててっぺんが爆発して、安藤さんと思われるからだが地面に落ちた。
カスミ「……」
隊員「…まじかよ…不死身でも…あれは」
その時、雨が降ってきた、彼女を慰めるような…まるで…悲しい雨だった。
上谷「…………」
カスミ「……ゾンビが…」
ゾンビの前方に車が走ってきた。
カスミ「……」
そのまま私は家に着いた。
カスミ「……」
ハートのA「おじゃ…どうしたんだ?」
カスミ「いや…なんでも」
ハートのA「…私と同じ顔をしてるね……大事な人を亡くしたのか…」
カスミ「そんなの……わかってるでしょ!」
ハートのA「やれやれ……まぁ…亡くしてるから話したくないよな…わかるぞ…その感情」
カスミ「じゃぁ…なんであなたは人が死んでも平気なんですか!?」
ハートのA「…人の死に慣れすぎたんだよ……そう…何度でもコンティニューできる世界で育ったからね…」
カスミ「この世はゲームじゃないんだよ!」
ハートのA「わかってる…」
すると、顔を隠していたフードを取った。
カスミ「…なんだ…その顔の傷…」
ハートのA「…これはな…向こうのリアルとここのリアルを間違えた人の図だ…」
伏黒「…人の死か…俺も何回も兄貴の死を見てるから言えることだ…この世はなぁ…人の命が軽いんだよ…だからめいいっぱいいきて…生きて…生き抜くんだ…」
ハートのA「…なによ」
伏黒「…だぁもう、空気が壊れたじゃんか」
ハートのA「それと…ラジオ…聞いてたけど…昔の私と一緒だな…」
カスミ「…ハートのAさんって…昔と比べてるけど…昔って…何があったんですか?」
ハートのA「今は話す義理がない…けれど…後々わかってくるんだ…」
カスミ「…それに…あなた…頭の中にもう一人いる気がするんですけど…気のせいですよね」
ハートのA「ああ…気のせいでとどめておいてくれ…」
????「おーい、お姉」
ハートのA「ああ…スペードのAか…どうしたんだ…」
スペードのA「頭の中すごくうるさいよー」
ハートのA「…またあいつらか…」
すると頭に手を当てた。
スペードのA「治ったよー」
ハートのA「よかったよかった…」
カスミ「…姉妹なの?」
ハートのA「そう…数年前までは知らなかったけど…」
スペードのA「そういえば…ハートのAの知り合いって…どこにいるの?」
ハートのA「…私が個人で管理してる建物に住んでるのかな…?」
カスミ「…まだ…生存者が…」
ハートのA「ラジオ聞いてる人もいるのかな?」
カスミ「…一度行ってみたい…」
ハートのA「それはお前でもダメ、だって、世界の深淵に踏み入れることになるのよ?」
カスミ「そっかぁ…」
ハートのA「それに……別の世界に…それはいいか」
カスミ「別の世界…あったら言ってみたいけどね…厨二病の人」
ハートのA「なっ…厨二病…」
カスミ「でも…世界を冒険してみたいのは本音、わたし…部屋にひきこもってばっかりだし…いつかは世界に飛び出していきたいなって…」
ハートのA「……そうか…でも…今やることは…」
カスミ「…ゾンビの治療と…会社を潰すこと…」
ハートのA「…昔の私と本当に…似てるな…目の輝きとか……」
カスミ「そう…」
ハートのA「…ショタ好き?」
カスミ「まぁ…好きではありますけど…どうかしました?」
ハートのA「私の写せ身だぁ!!!」
カスミ「えっ…エエエェェェ!?!?」
何故か知らないけど、急に持ち上げられた。
カスミ「ちょ…おろして!?」
ハートのA「いいじゃないか…」
スペードのA「お姉…それはさすがに…」
ハートのA「……帰ったらミミ吸いでもするか…」
カスミ「猫吸い見たいな感じ…ですかね?」
そして、満足したのか、帰っていった。
カスミ「…嵐だな…まったく…」
そして、悲しみの感情よりも、困惑の感情が勝っていた。
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