解剖記録138番目 茂範、キレる
時は遡りほんの数時間前……
伏黒「……どうする」
茂範「あんたらの勝ちや、煮るなり焼くなりしいや」
伏黒「なっ……」
茂範「伏黒ちゃん……わしにいい案があるんや、ちょっと黙っててくれんか」
そして男たちに連れられるがままに、ある機械の前で止まらされた。
伏黒「これは……」
石も粉砕する機械、裏切った舎弟も、この機械で葬ったっけな。
茂範「そうや、遺言聞いてくれや」
????「なんだ、極道が怖気着いたんか……」
茂範「そうやな……まず、あんたらはこの時間をくれたことが敗因だ」
伏黒「は?」
すると横からハートのAが一人の外道を粉砕機に突っ込んだ。
ハートのA「きちゃった」
伏黒「……なんでここにいるかわかったのか知らねーが……まぁ、これで形勢逆転だな」
ハートのA「茂範、教えてあげて」
茂範「教えなあかんのか?」
伏黒「いいや、今はいい。前にいる敵に集中しやがれ」
ハートのA「はーい、仰せのままに―」
そして外道を一匹残らず粉砕機にぶち込んだ。
ハートのA「やっぱりこんなグロテスクな粉砕機に物をぶち込みたくないものね」
茂範「そういえば、話さないと駄目だな」
伏黒「ああ、話してくれ、ハートのAとの関係性を」
茂範「そうやな……まず、こいつとは最近であったばっかりや、それで腹を空かせてたからな……いっぱい飯を食わせたんじゃ」
ハートのA「それで今に至るってな」
伏黒「……それはいいとして、嬢ちゃんは……いや、カスミは何処にいるんだ?」
茂範「ああ、今は……どこじゃここ」
タブレット端末にはある下水道施設に赤い点があった。
ハートのA「赤い点があるね」
茂範「こっそりGPS仕込んでるんじゃ、それで追跡はできる」
伏黒「なら今すぐ行こうか」
茂範「……だがな……車が破壊されてるんだっけ?」
ハートのA「そうなのよねー」
伏黒「ここからこの赤い点まで……数時間かかるじゃねーか、どうすんだよ」
茂範「ああ、そのことだがな……」
ハートのA「バイクなら準備できたよー?」
茂範「どうやらこの女、変な超能力を使えるらしいんや」
ハートのA「ここでのやること終わってるけど……まだあんたらのやることは残ってるでしょ?なら私も残る」
すると背中から何かが生やしていた奴が来た。
????「準備できました」
伏黒「……そういえば、名前聞いていなかったな」
????「それ今聞きます?」
伏黒「……この世界が……元に戻ったら一杯どうだ?」
ハートのA「それって、ナンパぁ?」
伏黒「ただ酒が飲みたいだけなんだ」
ハートのA「そっか」
????「瞑」
伏黒「いい名前じゃないか」
そして俺と茂範は下水道施設に向かった。
茂範「……あいつら……許さねーよ……」
隣ですごくキレている……怖いな。
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