解剖記録105番目 方言の壁
安藤「よし、ほとんど起きたね」
????「ほんまにどんちゃん騒ぎしたなぁ……あんたら」
安藤「それはあんたらが先にやったんだろう!」
????「おうええやろう、決闘や!」
????「野郎怒喪、喧嘩上等蛇亞!!」
カスミ「もはやなんていってるかわかんねーよ!?!?」
????「あのー?」
カスミ「どうしました?」
????「あの人、イカれてるんですか?」
カスミ「あの人、盲目なんだよな……」
????「ああ~……」
カスミ「何納得してるんだ」
そして横では極道の話し合いがあった。
伏黒「それで、そっちのしのぎはどうだ?」
????「すごい半グレ共が襲ってくるからな……しのぎどころじゃないぞ」
伏黒「俺のところは半グレほぼいねぇぞ」
????「いいね……」
カスミ「それで、ここに航海士とかいるの?」
????「いるけどね……癖がありすぎるんだよ」
カスミ「どんな癖なんだろう」
????「……百合が好きなんだ」
カスミ「……?」
????「要するにビアンなんだよ」
カスミ「ああ、そういう……癖ありすぎじゃない?」
伏黒「……いったん行ってみる価値はあるね」
????「あいつを引き取ってくれたら助かるな」
伏黒「厄介祓いか……それでいいのか?」
????「あいつに何人もほられたか……」
カスミ「相当危険なんだな」
そんな奴がこの国にいたなんて…
????「ここだ、おーい、おるかー?」
????「ここにいるぎゃおー」
伏黒「なんでアイアンメイデンから出てきてるんだよ」
その子は、背が私より小さく、明らかにメスガキみたいな感じだった。
伏黒「……だめだこれ、手を出したらこいつからなんて言われるんだが」
カスミ「こっちだよー?」
すると、てちてちとこっちに歩いてきた。
カスミ「……これ18歳以上だよね」
????「このフォルム……絶世の美女ぎゃお?」
カスミ「なんで……」
さらっとおなかを触ろうとしてたが、彼がこの子のアホ毛を握っていた。
カスミ「……アホ毛……」
????「前に進まないぎゃお」
カスミ「それで……私たちと旅したい?」
????「それはどういうことぎゃお?」
カスミ「外国に行かないかってね」
????「外国……どこ?」
カスミ「……どこって言われたらな……どこだろう」
????「じゃ、私の背中に乗れーぎゃお」
カスミ「じゃ……ついてきてくれるわけ……?」
????「それに、新しい女もいるし……楽しみだなーぎゃお」
安藤「よし、こいつらの相手おわったぞー?」
カスミ「……大多数に勝てるなんて、化け物ですか」
伏黒「……この子もらっていくぞ?」
????「いいぞ、じゃぁな」
安藤「これでいいな、あとは……船だな」
????「え?船ないの?」
安藤「作るとしてもね……技術者がいないんだよな」
伏黒「そうだな……どうする?」
カスミ「……いい技術者知ってるから、できたら話すよ」
伏黒「知ってるんだ……俺でも知らない奴か……」
カスミ「そうだよーん」
そして私たちは集落の人に見送られながら、その地を去った。
カスミ「……一人増えたから狭いわね」
伏黒「だな……またあいつに女たらしって言われてしまうな」
安藤「そうだな、後で連絡入れておくよ」
伏黒「それはよせよ……」
????「女だらけ……ふへ」
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