解剖記録98番目 囮
カスミ「これでほぼ撃退したね」
彼はどこに行ったんだろう。
安藤「ふいー」
カスミ「……酔っぱらってる……」
安藤「カメラ見る?」
カスミ「酔い覚めてきてるんですか?」
安藤「少しだけね……」
監視カメラを見たが、全然変化はなかった、すこしだけ移動してるものあるけど……」
カスミ「……これ借りるね」
安藤「あっちょ……」
私は安藤さんの腰に吊り下げられていた鍵を持って、地下に行った。
カスミ「……鍵が刺さらなくなってる……まさか」
私は椅子に縛られている人を、確認した。
カスミ「酷い……」
そこにお父さんとかお母さんと書いたのに、彼が縛り付けられていた。
安藤「こりゃ……やられたな、連れ戻しに来たのか……」
すぐに起きなさそうだな……
安藤「打撲痕もひどい、いったん寝かせるか」
カスミ「でも、どこに寝かせるの?」
安藤「もちろん、ダブルベッドの私の部屋に」
カスミ「絶対襲う気でしょ!」
安藤「ばれたか」
カスミ「……ゲホッ……ゲホッ」
安藤「大丈夫?」
……体温が少しだけ下がっている……どうしてなんだ?
カスミ「だいじょうぶ……ゲホッ」
あのガスにウイルス入ってるが……これだけ早く感染するのか……
カスミ「……こりゃ……詰みか」
私は今持ち合わせている薬はない。
カスミ「……仕方ないか」
私はそのまま外に出て、誰もいない場所に行った。
カスミ「……短い人生だったな」
私は持っていた手榴弾のピンを抜いた。
カスミ「……もう……いいんだ」
………………手榴弾は爆発しなかった。
カスミ「……ハハッ……そういうことね」
ゾンビになって死ねってか……それもいいな。
カスミ「……星空……綺麗だな」
……今から家に帰っても、間に合うのかな。
カスミ「……走るか」
体中にウイルスが回る危険性があるが、そのままの方でも、回るからね……動かないとね。
カスミ「……ハァ……ハァハァ……」
久しぶりに激しい運動してるわね……
カスミ「……着いた……」
私は急いで家に上がり、注射器を私に打った。
カスミ「……いたい」
……でもすこしだけましになるだけで、治ってる感覚がしなかった。
カスミ「……これを持っていくか」
私は重い荷物を持って、戻った。
カスミ「……みんなに打たないと……」
私はそのワクチンを打ちに行った。
カスミ「もう倒れてる人が……大丈夫……」
もう血の色が変わってる人もいる……なんだこの感染スピードは……
カスミ「……まさかだけど…」
私は一本の注射器に私の血を入れた、それで治っていたら、赤色に戻るはず……だが血の色は青色だった。
カスミ「もう……何なのよ」
薬剤耐性菌なのか……?
伏黒「う……おぉ…」
カスミ「……ごめん!あいつを呼び出して!」
伏黒「あいつ……」
私はある望みをかけ、あいつを呼んだ。
二野宮「……こりゃ大変だな」
カスミ「すこし腕を出して?」
二野宮「ああ、これか?」
いや腕をちぎらなくてもいいのよ。
カスミ「血を取りたいんだ」
そして私はその血をワクチンに混ぜ、私に打った。
カスミ「……おお」
私の体が青色の血が赤色の血になっていった。
カスミ「やっぱりか」
伏黒「どういうことなんだ?」
カスミ「……毒を以て毒を制すって聞いたことあるだろう?」
伏黒「……ウイルスを入れてウイルスを殺す……ということだな?」
カスミ「ああ、そうだ」
そしてそのワクチンをみんなに打ち込んだ。
カスミ「……これでみんな大丈夫でしょ」
伏黒「……新型のウイルスか」
カスミ「おそらく……そうだよね」
もう……なんなのよ……あのクソ夫婦。
カスミ「でも、くよくよしていられないよ!」
伏黒「そうだな」
カスミ「……探し出して、見つけ出すんだ!」
……いつか殺してやるからな……
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