第十話 情報収集
秋月を止めるためにはまず情報が必須となる。まず,秋月がどこで爆発を起こしたかを調べることにした。爆発は県内のみでそれもビルの立ち並んだ都会ばかりだ。
『都会は明かりが多いから能力を使いやすいのか』
都会のにぎわっているところを毎回攻撃しているにもかかわらず死者はおろかけが人すら今のところは出ていないことに驚いた。どうやら秋月は殺人の目的はないらしい。
多分,何かしらの理由で能力者になったならその理由が解決すれば止めることができるだろう。
『じゃあ,なんで能力者になった』
攻撃の場所はビルであること以外バラバラで共通点がない。強いて言えば廃ビルで誰にも使われていないことだ。
いろいろと調べているとある記事の見出しに目が止まった。
『謎の爆発の正体は一人の少女によるものだった!』
「げ,さすがネット。なぜかバレてるな」
記事を開いてみるとどこから流失したのか防犯カメラに映った秋月の姿や隠し撮りされたような秋月の写真とともに『この前○○で爆弾魔に会いました!』だとか『爆弾魔はこの少女に間違いありません』といった一言が添えられている。どうやらネットでは秋月は爆弾魔と呼ばれているらしい。
『この様子だと名前もバレてるんじゃ』
試しに『秋月 事件』と調べてみた。検索結果に爆発という単語はない。
その代わりに『暴力団殺人事件』という単語が多くあった。
『××××年××月××日〇〇県で秋月 紬さん(十才)が暴力団闇夜組に殺害されました__』
「まさか,これが原因?」
「おはよー,川村くん大丈夫?」
寝不足で机に突っ伏している俺に桃花が話しかけてきた。
「今日は寝不足」
「昨日ゲームで徹夜しすぎてな」
桃花に『秋月について色々調べていた』なんて言ったら何か言われるだろうと思いゲームで誤魔化した。
「気を付けてよ。登校してくるときなんか電柱にぶつかっても痛がることもなくそのまま歩き出したり,登校中の女の子を見ながらにやにやしてたし」
「俺そんなことしてたのかよ!」
他から見れば馬鹿な変態じゃねえか!
「いつもより変態度が半減してたから心配だったんだよ」
「俺いつも知らないうちにどんなことしてるんだよ」
「ま,冗談だけどね,でも無理は体に悪いからしっかり睡眠時間はとるようにしてね」
「じゃ,おやすみ」と言い残して桃花は俺の席から離れた。休み時間はまだある。また机に突っ伏して寝ていると,耳元で少女の声が聞こえた。
「川村さん」
聞き覚えのある毒のある優しい声に体が固まった。
「そのままの姿勢で大丈夫です。あと私の姿は隠しているので周りには見えません」
どうやら今秋月は周りの光を屈折させ自分に光が当たらないようにしているらしい。秋月が警察や対能力者委員会が手出しない理由に怖いからの前にこの能力を使った見えないということがあるのだろう。またその見えないことも恐怖を増強させる。
「あなたに伝えたいことは一つです」
耳元に生暖かい息がかかる。
「桃花さんはあなたをはめようとしていますよ」
その言葉を聞き,驚きで体が反射的に少し動いた。
「ふふふ,なんでかはわかりませんが並外れた力のない一般人であるあなたに『能力者を倒してほしい』なんてお願いしますか』
「どこでその話を聞いた」
「いつも元気な川村さんが寝不足なんて珍しいと思いまして」
なかなか勘が鋭い。この様子じゃ桃花の性格から俺が独断でしようとしていることもバレているだろう。
「私も桃花さんも悪ですからあなたにできる最善の行動は」
また生暖かい息が耳にかかる。
「何もしないことです。少なくとも今夜までは。今夜ですべて終わりますから」
頭の中に秋月の笑顔がよぎった。
こんにちは!春桜 結分です。
新年あけましておめでとうございます。
ついに終盤です。いや~振り返ってみても最初じらしすぎt・・・
最後はついにバトル展開です!書くのが楽しみです!(うまく書けるかは別として)
目標であった更新を早くするは早いのかはわかりませんが十話ぐらいで物語を一回終わらせることはできそうです!
それでは最後まで読んでいただきありがとうございました(`・ω・´)ゞ