第二十六話『愛を尋ねて三十歩』
「私がGです」
「あ、どうも……」
ピラミッドの中に入ったギン。だが中は以外にもこざっぱりしていて、なんとワンフロアしかない。そしてその中に、先日であったスゥと同じ、男がいた。ギンはその辺、知った事じゃないと言う風な感じであったが。そもそもそれ以前に頭が無いし。
「いやそうじゃなくて。ここに槍ってのがあるって聞いたんだけどよぉ……。お前だろ、持ってんの」
「えぇ。取り返したければ……。奪えばいい。それがこの世界のルールだからな」
「ヘッ、話が早くていいや!んじゃァよぉ……。ぶっ殺してやるよ!」
ギンはお得意の高速移動を見せつける。Gはしばらくそれを観察した後、なんと同じように動き出す。まさに鏡映しと言う感じの動き方だが、Gの方が早い。
「何っ?!」
「こんな物か」
勢いよく蹴り飛ばされ、地面に激突させられるギン。そこでなぜこんなに早く動けるのか、理解する。ギンは早く動くために、体を鍛え上げ、相当な衝撃を吸収する事が出来るようになっている。だがこの目の前のGと言う男は、いわゆる不老不死。
「流石に骨の何本かは折れたが……」
こんなにふざけた芸当も、自分の体を労わらずに動けば再現できると言うような話だ。どうやらギンを蹴った時の一撃も、自分の足をへし折る勢いで蹴り砕いたらしい。
「……不死身かぁ?」
「まぁそうだ。さて戯れも程々に……。コイツを使ってみるとするか」
そして、槍を手に取るG。相変わらず良く分からない物だが、今回はいつにもまして意味が分からない物だった。
「使うのは初めてだが……。まぁ、どうでもいい」
通常、槍と言う物は持ち手と武器がくっついている物である。だがこの槍、なんと持ち手の部分しかない。それはナラが持っているクラブ・キングも同じだろうが、こちらは持ち手の部分に何もくっついていない。
「さてと……。とりあえず投げるか」
使い方が分からないので、とりあえずぶん投げる事にしたG。だが槍は全く飛んで行かず、カランと言う乾いた音を立てて落ちる。空気が完全に死んでいる。互いにどうするんだこの空気と思っている。Gはこの時点でこの槍を使う事を止め、普通に殴る事に決めた。
「よし殴ろう」
「危ないっ!」
正直槍を使われるより、普通に殴りかかられるのが不味い。とりあえず槍を回収するギン。こいつさえ手にすれば、Gを無視しても構わない。と思っていると、入り口付近にGが向かう。相手は徹底抗戦の構えらしい。
「えぇい使えるか分からんが……やるしかねぇ!」
『愛の女王』を手にしたギン。まっすぐに突っ込んでくるGに対し、槍を突き付ける。




