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第二十四話『裏がある戦いは、大体超強い表で潰される』

 

「試合終了ーッ!」


 ポーカーの試合が始まって五回目の終わり。完全に決着がついたアナウンスが流れる。


「……」


 負けたのは、カンロであった。


(……な、何故ウチが……!?)


 さて、何があったのかを説明しよう。イカサマポーカーを仕掛けたカンロ。ただ最初からフルで使うと、バレやすいので最初の一戦から二戦はイカサマ無しで戦うと決めていた。


「ポーカーかぁ……」


 ナラは、普段からポーカーをやっているような物なので、ほぼ全ての役とその作り方、そして強さを知っていた。それが功を奏したのかは分からないが、一戦目の勝負内容がこちらである。


『ナラ・フルハウス:カンロ・2ペア』


 まぁよくある事だ。ギャンブルと言うのは、まず初めは勝たせるのが基本。人は勝利していると、その熱を逃がすまいと熱中してしまうのだ。文字通り、熱の中に身を投じると言う事。そうなれば全身大やけど、ただでは済まない。


(まぁまぁ良い役作るじゃねぇっすかぁ……ま、ウチの本番はここからなんすけどねぇ!)


 が、異変が起こったのは第二試合からである。ポーカーには重要なシステム……と言うかルールがある。それはブラフと言う、弱者救済システム。恐ろしく弱い札でも、騙し裏切り嘘をつくことで、最強の役すら無かったことに出来る。


 何が言いたいのかと言うと、ナラの後ろにある感情が全て消えた。


(……?アレ全然感情が読めないっすねぇ……?)


 気配を消す。誰にでもできるようで、実際やろうとすると中々難しい。しかも、実際に現金をかけている状況で、自分の感情を完璧に消せる奴はいない。


 だがカンロはその点、感情を読むプロフェッショナル。殺気を消そうとするだけで、役の大半をなんとなく読む事が出来る。


(一回戦で勝って賭けた金の二倍を得て……、喜ばない人間はいない。どんなに取り繕うとも、感情は全て正確……っす)


 だと言うのに。目の前にいるナラからは、全くと言っていい程何も感情が見えない。喜んでいるのか、悲しんでいるのか、怒っているのか、笑っているのか。何一つ理解できない。


(……人形?)


 カンロは、一回試してみたくなった。目の前にいる相手を、いきなりぶん殴ったらどんな表情をするのか。どんな反応を返して、どんな顔をするのか。


 それほどまでに、ナラから読み取れることは無かった。


 だが結局のところ、重要なのはそこではない。ここから怒涛の五連敗を期すのだが、なんとその手札全てがフルハウス以上の手札で、しかもその上普通に運ゲーで負けている。


「……」


 感情がどうこう言ってきたが、カンロは運に負けたのだ。


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