第二十話目『リスもふ、犬もふ』
釣りをしていたらミルが引きずり込まれてしまったので、救出した二人。現在は船の上で天日干しされている。豪快に魚を貪るギンと、火で焙ったドングリをボリボリするナラ。最近は木の実以外もまだ少しくらいなら食べられるようになったが、大体の栄養を木の実で補える体なので、そこまで重要ではない。
「お前全然食ってねぇな?」
「僕そんなに食べる方じゃないから……」
それよりも、ギンはナラが全くと言っていい程食べない事を気にしていた。とりあえず相手が異種族であることは知っているので、なるべく食事に関しては何も言わないよう努めてはいるが、それはそれとして気になるところなのだ。
「ほーん。んまぁ良いけどよ……」
とりあえず、干されているミルのところにも餌を持って行くギン。まだ水が滴っているようなので、もう少し干す必要があるなと分析。そんな事になっているのを良いことに、ナラと一緒に風呂に入ろうと考えるギン。
「ところで、潮風に吹かれて尻尾が痛んでない?風呂入る?」
「え。さっきミルを洗った時に入ったし良いよ」
「……まぁまぁ、俺が洗ってやるから。な?」
「えー……。まぁ良いけど……」
しぶしぶと言った感じで承諾するナラ。と言う訳で風呂に来たはいいのだが、もうナラを見る目が圧倒的に獲物を見る目になっている。とりあえず一旦服を脱ぎ、それとなく尻尾をもふもふする。
「うーん良い肌触り……。このまま眠りたいね」
「ひゃん!ちょ、ちょっと優しく……優しくお願い……」
「なんだ性感帯なのか?まぁ安心しろよ、ちゃんと洗ってやるからな……」
獣人の尻尾用の石鹼を使って洗っていくギン。ちゃんと尻尾の中まで洗わないと、たまにひどいことになる。なので、ナラくらい大きな尻尾だと、洗うのにもかなり一苦労と言った所で。普段はミルに洗ってもらっているが、一人では流石に洗えない。
「よしこんなもんかな」
「……じゃあ今度は僕が洗うね」
「お?じゃあよろしくな!」
一通り洗った所で、今度はナラがギンを洗う。頭から尻尾にかけて、全身をしっかり洗っていく。ギンの尻尾はもふもふと言うよりは、サラサラと言う感じだろうか。まるで質のいいタオルを撫でているようである。
「おぉ……、手触りが凄い……」
「そうか?全然洗ってねぇけど、まぁ褒められて悪い気はしねぇな!」
にしても見事な銀色である。自然界に存在するとは思えないくらいに。お互いシャワーで泡を洗い流すと、一緒に風呂に入る。
「……狭いね」
「まぁ元々一人用だしなこの風呂。しかし小っちゃくてかわいいよなぁお前は」
「むぅ……、結構小っちゃいの気にしてるんだからね?」
「おっ」
そうこうしていると、復活したミルがやってくる。そして無言で風呂場にやって来ると、すぐさまその二人の間に侵入する。




