第十四話『今までと、これからの事』
「で、結婚する話は本当なの?」
「まぁそうじゃが?どうせミルも我と結婚するんじゃからな!ワハハ!」
大体タマがこういう時は、禄でも無い事が起こる時だと判断しているミル。
「……。今度はどこに行くの?」
「あーな。ちょっと遠くの国になぁ……。まぁ大丈夫じゃろ!」
そんな事を言っていると、ナラが一分くらい走ったところで倒れた。どれだけ体力が無いんだと思っている二人。
「大丈夫?」
「ゼーなんか……ゼー全然……ゼー体が……」
「そんなに弱かったっけ?」
「おい大丈夫か!?そんなに弱いと心配だぞ!?」
こんなに弱かったかなぁ?とか考えるミルに対し、後ろで走っているのを見ていたタマは、恐らくそれ以前の問題だなぁと判断する。と言う訳で修行メニューをナラに手渡し、次に行くべき場所を指示する。
「別に強くならなくてもいいんじゃが……。どうしても強くなりたいのなら、ここに行くと良いぞ?修行者の地、『パース・ヘビー・カーム』じゃ」
「い……行く……!」
「……」
そのPBCと言う場所には、魔法ですぐに飛んでいく事が出来ると言うのだ。と言う訳で早速魔法で飛ばしてもらおうとするナラ。
「ミル。ちゃんと守るんじゃぞ?我らの嫁になるんじゃからな」
「……言われなくとも」
そして吹っ飛んで行く二人。それを見ながら、タマは部屋の奥にある仮面を付けて、自らもどこかに飛んで行くのであった。
「ここがPBC。私も一時期ここに来た事がある」
そしてPBCにやって来た二人。ミルは飛ばされてすぐのところにある、大きな建物の中に入っていく。その中ではロボットが受付をやっていた。
「えっなにこれ……」
「機械。ここは一般人が住むには難しすぎる」
『いらっしゃいませ。何日ご滞在ですか?』
「三日。よろしく」
受付が終わったとの事なので、島の中に入っていく二人。テントを立て、そもそもどういう所なのかを説明していく。
「ここは凄いいっぱい猛獣がいる島。一度入ったら滞在期間が過ぎるまで、絶対出られない」
「だから修行者の島……?」
「ん。危険な奴ばっかり」
そんな訳で、まずは木の枝を取って来いと指示するミル。食料問題は何とかするからと言っていた。キングと共に、体を隠しながら近場の枝をチマチマ手にしていく。何が起こっているのか、地面に枝がボロボロ落ちている。
「キング、これって大丈夫なの?」
「まぁ……燃やすし大丈夫じゃね?それより、なんか誰かに見られてる気がすんだよなぁ……」
手に持てるくらいの枝を回収したナラ。戻ろうと踵を返した瞬間、木々の合間から何かが飛んできた。