第十三話『またも風呂で~』
さて。このタマと言う家の風呂だが、まぁ人一人がゆったり入れる程度の大きさである。……つまり、複数人で入るようには作られていない。そんなところに三人も入ったらどうなるかと言うと、そりゃもうミチミチになっていた。
「せ、狭い!狭い!」
「私じゃない。師匠が勝手に入って来た」
「我じゃないぞ!ミルが出ればいいじゃろ」
全員風呂に入りたがった結果、こうなったのである。もちもちしているナラと、もちもちしているミルと、結構隠れ巨乳なタマ。いきなりケツを揉んでくるタマと、やっぱり尻尾を触ってくるミル。完全にされるがままである。
「ナラは私の」
「我のでもいいじゃろ~?」
「……久々に殺し合いでもする?」
「お?じゃれつきか?では外に行くかのぉ?」
一触即発と言った所か。にらみ合いから何とか逃げ出すナラ。浴衣を着流し、布団が置かれている部屋に向かうのだが、ここでとんでもないことが判明。なんと布団が一つしかないのだ。
「えっ」
「あっ、布団それしかないから」
「……えぇ……」
すなわち、どうなるかと言うと。
「……あうぅ……」
タマとミルに挟まれてしまったナラ。ちなみに尻尾はミルの方に向けている。タマの方に向けていると、何をされるか分かった物では無いからである。だが、タマは一切合切を無視して、ナラのアソコに触ってくる。
「!?」
思わず顔を見るナラだが、どうやら寝ているらしい。寝ていながらこれと言うのはちょっとどうかと思うが、ミルから既にそういう事をするとは聞いていたので、まだマシと言った所。だがそれでも、気になるのは気になる。
「……うぅ」
えげつないセクハラをされまくり、結構嫌な顔をするナラだが、明日から一応修行を付けてもらう事になっている。無駄に面倒な事を言って、拗れてしまっては問題である。
「ね、寝よう……」
ミルが尻尾を抱きしめながら眠っており、中々寝付けないナラ。そう言えば結婚すると言う話を聞いていたが、実際問題本当にするんだろうか?とか思いつつ、無理やり眠るナラであった。
そして翌朝、ビックリするくらい快晴の日。修行をする事になったナラ。
「とりあえず……、ナラは体が弱いのが問題じゃからな。適当にマラソンして来い」
「アッハイ」
言われるがまま走るナラ。二人は走るナラの姿を見ながら、本当に結婚するのかどうか決めることにしたのであった。