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第九話『因縁!敵!』

 

「なんだこの剣!?」


 船内を走っていたナラは、道中で変な剣を発見する。昔使っていた勇者の剣……に近いのだが、明らかに元の剣の長さより圧倒的に短い。なんなら持ち手の部分しかない。だがなぜか、この剣を手に持たなければならないと思ったのだ。かなり弱体化しているナラでも、何とか持ち上げられるくらいの重さであった。


「コレは……」


「おいおい!気安く触ってんじゃねぇよ!……ってどこだここ」


「うわっ喋った?!」


 手にしてみると、なんかいきなり喋り始める剣。どこに目が付いているのか、キョロキョロと周りを見るように動いた後、ナラの姿を見て何が起きているのか判断する。オーラのような物が浮き出て、ナラに話しかける。


「あー……。なるほど。なんかあったな?」


「な、なんかとは……?」


「まぁなんかは何かだ。それよりお前は敵か?味方か?それとも……」


「僕は……僕は勇者だ!……今はこんな姿だけど、勇者なんだ!」


 ナラは、自分が誰かと聞かれ、すぐに勇者だと答える。それを聞いた剣は、ニヤリと笑う。


「俺の名は『三つ葉の王(クラブ・キング)』!まぁクラブよりキングって言ってくれや」


 ナラはその名前に覚えがあった。なんせ、この姿になる前に倒した魔王の名前が入っていたのだから。だがしかし、あの時の悪辣さは無く、むしろ気さくに話しかけてくれている。全くの別人であるように感じてしまう。


「……分かった、クラ……キング!」


「あいよ!じゃまずは……目の前にいる敵を撃滅するとするか」


 一方その頃、カウラはボコボコにされていた。ミルは何とか回復している様子であったが、回復してもまたボコボコにされるだろう。それほど、この男は強力な男であった。


「……」


 何度目のため息だろうか。まるで楽しくなさそうである。さながら、義務感で行う仕事と言う感じだろうか。全く身に入っていないような様子である。そんな中、遂にナラがやってくる。


「ミル!カウラ!」


「……それは」


 大体何があったのかを察するナラ。そして、手にするべきものを見つけた男は、ナラを襲おうとする。その瞬間、ナラは何とか剣を持ち上げ男の腹を切る。その剣には、ポーカーの役、ロイヤルストレートフラッシュが完成していた。


「……。成程」


 腹を少し切られただけの男だが、何かを確信したのか、帰ることを決めたようで、名前だけを言って帰る。


「俺は『スゥ』覚えておけ」


 そう言って一方的に帰るスゥ。なんだったんだろうと思いながらも、カウラとミルに駆け寄るナラなのであった。


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