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12.希望
「おはよう、バイバーイ、また明日ね」朱里が手を振っての挨拶。
「バイバーイ」ちっちゃい女の子の園児が朱里に手を振る。
その可愛さを実感する朱里。
「違うだろ、また月曜日」
「えっ?明日未来ですよ」
「なんでやねん」漫才コンビか。
正門では帰宅する家族、また一人で帰宅する園児に手をふって見送る朱里と清美。
「ああ、おはようございます」
今から未希成園に登園する園児と家族も交差する。
それぞれの形。
そんな光景を園子は園長室から。
順子は別の位置から眺めていた。
正門の前、ややずれた位置にワゴン車のタクシーが停車する。
中から川岸雅代、光星、輝義の3人が出てくる。
それを確認した朱里と清美はギョっとした。
雅代は朱里と清美に近づき、深々と一礼した。
光星と輝義もその後で会釈をする。
朱里と清美も深々ではないが一礼して返す。
3人は園内へ入って行った。
その後ろ姿を朱里と清美は目で追っていた。
少し歩いた雅代は、静香に気づいた。
そして静香の方へ歩いて行く。
「あああ」それを見た朱里は雅代を追うように小走りで駆けて行く。
光星と輝義は少し離れたところで立ち止まる。
「小森さん」
声を掛けられた静香は雅代の方を向く。
「私をご存知でしょうか?」
「はい、存じております」
静香は深々と一礼した。




